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偽ルンバで抜け毛知らず

今回の日刊かきあつめのテーマは#買ってよかったもの。私の場合は、ロボット掃除機だ。

人様から遅れをとること20年。ずっと「高いから無理」って諦めていたのだが、今や2万弱でゲットできてしまうロボット掃除機。何故か本家のルンバの3分の1程度のお値段である。さすがに安すぎやしないか。怪しい。

そんな疑念は大いにあったのだが、購入者の口コミもまずまず。ルンバと比べても遜色ないと書いている人もいる。思い切って買ってみることにした。

我が家は床掃除に手間取る広さは全くない。それでもロボット掃除機が欲しかったのは、日々抜け落ちる髪の毛がグレージュ色の床に目立ち、それを目の当たりにするのにいい加減うんざりしていた、というのが主たる理由だ。否応なく加齢を実感する瞬間である。だから我が抜け毛を気づかないうちに取り去って欲しかったのだ。

当初は、ロボット掃除機が何をどこまでできるのか分からなかった。どのくらいのごみや埃までキャッチしてくれるのか、とかごみとごみじゃないものの区別であるとか、障害物は避けてくれるかとか、どのくらいの隙間までお掃除してくれるかとか。結局お掃除ロボットの後ろをそろそろついていき、「あーそっちじゃなくてこっち」と持ち上げて向きを変えたり、電源コードや綴り紐が絡まって動けなくなっているところを助けたり、とはらはらしながら見守る日々が続いた。普通に掃除機かけた方が早い。

しかしだんだんと得手不得手がわかってきた。

行手を阻む障害物は予め取り除いておくこと、中でカビが発生しないように床面は乾いた状態にしておくこと、そのくらいで難なく期待値を超えてくれるようになった。

そんなこんなで、私とロボット掃除機との共同生活はかれこれ3ヶ月ほどとなる。彼の働きぶりは申し分ない。白い円盤の底に堅めのブラシがついており、ふりふりしながらゴミを絡めとり進んでいく姿はなんとも頼もしい。

今や朝出勤前に「さあ行っておいで」と室内に放っておけば、夜帰ってきたら床に落ちていた髪の毛や埃はひととおり取り去られている。そして当のお掃除ロボットは何食わぬ顔でホーム(充電場所)で休んでいるのだ。お利口さんである。

おかげで私も抜け毛をなかったことに快適ライフを送れることができている。(いいのか悪いのか)
偽ルンバよ、末長くよろしく頼む。

文:べみん
編集:円(えん)

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