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殺人をエンタメにしないで

今回の#日刊かきあつめ、テーマは#ミステリー です。
松本清張、東野圭吾、湊かなえ、米澤穂信。誰もが知る有名作家たちだ。私の周りにファンも多い。エドガー・アラン・ポーやアガサ・クリスティなんて何百年にも渡り世界を魅了している。
だけどそんな著名なミステリー作家(推理小説家)たちの名作を私はいまだろくに読んでいない。
実は私は今ミステリーがいまいち苦手なのである。
何故かってゆうと往々にして人が殺されるからである。
だって人が殺されるシーンは怖いし痛そうだし苦しそうだし、ひゃーとなる。殺された被害者の無念もそうだし、殺すに至るまでの犯人の切ない事情などにも胸が詰まることもある。しいては、現実世界で同じように身近な人を失った人がこれを読んだらどう思うか、など色々いらん思いを馳せてしまいすぎる。その結果勝手に疲れてしまうのである。フィクションなのはわかっているのに。
そもそもミステリー作品は、人が殺されること自体ではなくて犯人が一体誰なのか、その推理が醍醐味なのだと思う。
謎解きというエンタメのためにそんなに簡単に作品中で人を殺めないでほしいのだよ。殺人が身近であるような錯覚に陥ってしまうではないか。
例えば万引きや盗み、覗き、食い逃げとか誰の体も傷つけない程度のもので勘弁していただけないものだろうか。
これは子供の頃からずーっと思ってきたことなのだが、大人になればこの類は平気になると思っていた。でも結局今でも割り切ってライトに楽しめない。まだまだ私が未熟者なのだろうか。
ホラーもサスペンスも同様に苦手だ。ハラハラし通しで、物語が終わる頃にはぐったりしてしまうのだ。
重い作品だと数日に渡りずーんと心が落ち込む。
ノンフィクションはもっと無理で新聞やニュースで報じられるショッキングな事件は意識的に避けることにしている。気持ちが引っ張られて日常生活が手につかなくなってしまうことがあるからだ。
夢見も悪くなる。

大体生きているってただそれだけでひりひりする。

だからせめて「それでも生きるってステキなんだ」と思えるゆるりと明るい作品に私は日々出会いたい。

文:べみん
編集:彩音

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