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ため息俳句 ポイント

 灯油が切れたので、行きつけのガソリンスタンドへ行った。
 ついでにガソリンも給油。

 ガソリンは、セルフ式である。これは、月に最低一度は給油するので、買い方には馴れている。会員カードで、ポイントがたまる上に、2円引きとなる。それにTカードも併用できる。Tカードは、昔レンタルビデオ用に取得したものだ、それを今もつかっている。
 実を言うと、自分としてポイントカードの利用といえば、この給油の時が唯一習慣化されている。そこで、調子に乗って、昨日気まぐれにこのガソリン販売店のアプリに会員登録をした。それまでつかっていた会員カードに残っていたポイントも引き継がれたようだった。なんだか、ことガソリン価格については、円単位の増減がとても気になる。

 そして本日のこと、いざそのアプリを使って給油しようとして慌ててしまった。なんと、アプリの会員証QRを読み込んでくれないのである。
 しかたないので、スタンドのお兄さんに声を掛けて事を成就したのであった。

 次は、灯油の給油機であるが、ここもやはりセルフ式である。ここはまず従来のカードを挿入して始まる、これは難なく完了。
 すると、会員アプリを持っていたらさ更に2円引きとお知らせが出てきた。それはそれはと、スマホを取り出し先ほどのQRコードを読み取りの小窓に翳すが、相手にしてくれない。もたついているうちにやり直しになってしまった。
 仕方なしに再度カードを入れると、今度はそのカードが拒否された。あれあれと、左右を入れ替えてさしたが、これも承認されない。裏返しにしてもダメ。なにやなんだか、分からなくなってきた。
 給油機の前で、あたふたとしていると、見るに見かねてであろう、隣から「それむずかしいですよねー」と、女性が声を掛けてくれた。
 「いやいや、どうもこういうのは・・・。」と恥ずかしいやら、情けないやら。始めからやり直そうとすると、その女性が、「そこではなく、それをタッチして、カードの向きは、反対かな・・・」とか、やさしく教えてくれた。それなのに、動揺していたので更に何度か失敗して、漸くに、灯油を買うことが出来た。が、QRコードは、あきらめて更なる2円引きは放棄して上である。
 その女性に何度お礼を言ったことか。
 
 とにかく、こういうのがまったく苦手である。
 何処に行っても、ポイントカードはお持ちですかとか、アプリは?とか、尋ねられる。その都度、いや結構ですとか云う面倒臭さ。
 でも実は、コンビニでも使えるポイントカードなら何種類か持っている。プリペイドカードもある。キャッシュレスで買おうと思えばできるアプリもある。これらは、古女房に持たされたのである。今時、釣り銭でポケットにジャラジャラ小銭を貯め込む人なんていませんよと、・・・。
 
 そんな風に女房如きに馬鹿にされたとしても、いちいちスマホだのカードだのを、レジの前でとりだす出すのが、自分は面倒なのだ。プリペイドにあらかじめお金をチャージするのも嫌いだ。現金払いがいいのだ。勿論、小銭を数えて支払うなんて、愚図っぽいこともしない。缶コーヒー一本でも、出来ることならば、万札を出して、ぱっとはらって、「釣りはいらねえ、とっきな」と、云いたいぐらいだ。
 
 確かに自分だってポイントは欲しくないわけではない。が、いちいちカードを用意して、数円単位のポイントを集めるというのも、みみっちいという気もする。その一手間が、嫌いなのだ。アプリ片手に買いものなんて、気持ちが悪いのだ。カード一枚で事が済むというのも、うさんくさいのだ。
 
 とにかくポイントポイントと五月蠅い。
 
 まして、お上や地方自治体が、スマホ決済アプリを使って、ポイントを付与したりするのなんて、不快極まりない。こうなると、スマホを持たない人は、人ではないといわれているに等しい。スマホを持たない人の権利はどうなるのだ。

 とか、ブチブチと文句をたれている、時代遅れの爺さんが、自分である。勿論、それらが使いこなせればお得で便利なのは承知だ。例えばスイカが登場してきたときは、とても便利だとおもったものだ。
 でも、そういうことに旨く適応できないというのが、自分という人なのだ。


胡蝶侘助

侘助やぽいんとくゎうどなら持つてゐる 空茶


 追記)「更なる2円引きは放棄して上である」と書いたが、後で気づいたが、このQRコードは、ここではまったく意味の無いことであったようだ。
 それと、あの親切な女性だが、この侘助の色に通う優しさを感じたなあ。