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ため息俳句 梅雨の切れ間、森を歩く

 どうやら鬱めいた気分の波を少し越えたようだ。
 今日は森林公園へ足が向いた。
 明日からまた雨だと聞いたからだ。

 今日の公園は、人気がない。

 梅雨時であるから蒸し暑さは当たり前のはずなのに、木漏れ日の道をゆくと、本当に涼しい風が吹いてくるのだ。 
 森の奥から吹いてくる風だ。

 あちこちにトラノオが、花穂を垂れていた。

 鳥の声が四方から聞こえて来る。聞き慣れた鶯。辺りははばからず鳴くのはガビチョウ。時折ガラスが凄む。他の声の主は知らない。何処を歩いていても、鳥の声が鳴き交わすように重なりあって聞こえる。

 今日は、若い竹の緑もよかった。

 ぶらぶらと歩いて、時々深く呼吸して、なんだか生き返るような気分になる。いつものことだ。

 山百合はまだ蕾である。

五月晴行けば森真っ青な風  空茶

まなうらもあおあおと六月ゆらぐ

木下闇とらのお咲くを知る辺しるべとし

蛇沼渡る見ゆ 言やさし女


 
公園の花壇の花のことは、明日に。