ため息俳句 ショウジョウバカマ
先日、森林公園を散歩して、今年始めての菫に出会ったことにふれた。
その折、野草コースの入り口で、ショジョウバカマも見たのだった。その画像を探したのだが、どこかに行ってしまったので、ここに出せない。
とにかく、姿形も珍しいのだが、そのショウジョウバカマという名が面白くて、長い間どんな花なのだろうと思っていた。山野草ファンにはよく知られていて、栽培も比較的容易なのだという。
名の由来は、地面に張り付くように広がる葉はロゼットと呼ばれているが、ショウジョウバカマもそうだ、そこから花茎が伸び上がり、房のように咲く花をつけている様子が、猩々が袴を着けたようだということで、ショウジョウバカマ(猩々袴)と名付けられたのだと言われている。そう言われても、余りぴんとこないのだが。
「猩々」とは、類人猿一般を指す語であるが、大酒飲みをいう隠語でもあるそうだ。酒を飲むと顔が真っ赤になる、実を言うと自分もすぐに赤くなって、これが実に情けない気がしてコンプレックスであったのだが、その赤くなった顔が、猿のようだということだ。つまり、赤面の猿が、まるで袴をつけて立っている姿のようだというのだろう。と、いうことで自分的には落ち着いた。
でも、実際には赤とはいっても、せいぜいピンクか赤紫という感じではないかと思う。どうでもいいのだが、こんど猿の顔色をよく見てみたいと思うのである。
迷い人じょうばかま灯る見む 空茶
ショウジョウバカマという野草を始めて見たのは、コロナ前の何年になるか忘れたが、福島二本松市の二本松城であった。山上の本丸跡から石垣の間を下ってゆくと林の中に咲いていた。
多分その時の画像がこれだ。
二本松城は戊辰戦争の悲劇に見舞われたのだが、今は桜の名所として有名。桜が咲くとこの城にまるで霞がたなびいているかのように見えるといわれている。
霞ヶ城猩々袴道々に 空茶
戊辰戦争では、最年少は十二歳の少年が戦士として加わっていたのだという。