ため息俳句 八島ヶ原湿原
上諏訪の温泉へ行ってきた。
諏訪方面に行くには、行き帰りにビーナスラインの一部を通過することになる。今回は諏訪湖の先に行く予定ではないので、久しぶりにゆっくりとビーナスラインを楽しむドライブとなった。
さて、八島ヶ原湿原は初夏へと移りはじめていた。 一周1時間半ほどだというので、歩いてみることにした。その3分の2ほどは木道が整備されていた。多少の起伏はあったが、苦になるほどのことはない。
今回は、自分の誕生日にあわせて夫婦二人で出かけた。昨年は妻の誕生日を祝って四国に行った。そういうことであれば、順番的には来年は妻の誕生日に合わせることになるのかな?
日ごろはああ言えばこう云うというばかりの夫婦であるが、旅に出るとなんだか不思議ではあるが、お互いに素直に相手のことばを聞くようになるのだ。
湿原の木道をぽこぽこ歩きながら、高原の花を見つけては声を掛け合ったりして、まったくねえー・・・、旅は人を変えるのだろうか?
天下夏八島ヶ原に老い二人 空茶
ともあれ、なんとも気持ち良い青空であった。我が生誕日を祝福しているかのようではないか。確かに初夏の空だが、湿原は、いまだに枯れ色が広がっていて、緑は少ないのだが、こんな花々に出会うことができた。
ずみの枝くぐりて妻は先を行く
よろめくに櫻菫の匂ひけり
湿原は雲にかげりて白菫
声上げて指さす先へ君影草
湿原のところどこに白くみえるものあって、双眼鏡で見たのである。
れんげつつじ月明かりには火炎上
思い出す君は黙せりあまどころ
潺々と光踊りて二輪草
一時の憂き世忘れであった。