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ため息俳句 春寒

 今朝は、朝から雨である。それに、冷える。
 一昨日までのほかほか天気は何であったのだろう。

 昨日は、運転免許更新のための高齢者対象にする認知機能検査にでかけた。
 世間を見渡せば高齢ドライバーはいくらでもおいでだ。それらの人全部が受けている検査だから、たいしたことはないとたかをくくっていた。ところが、前日の夜になって、少しは予備知識も必要かとネットを開いた。すると、あるはあるは認知機能検査の対策情報サイト、なかには攻略の為の模擬練習ができるのもある。
 たまげた。
 どういうわけか検査問題は公開されていて、そのいずれかが出題されるという。そうなれば、解答を丸暗記すればよいということになる。各サイトもそう薦めている。でも、それでは検査にはなるまいと思うのだった。
 それでも、一度模擬練習をやっておこうと、チャレンジした。
 いや、これがからっきし出来ない。
 内心、大いに不安になった。まてまて、一夜漬けならお手のものだ。小中高大とそれ一本でやって来た実績が俺にはある、そう心を奮い立たせた。
 だが、これが全く役に立たなかった、暗記しようにも何も頭に沁みてゆかないのであった。むしろ、なま半可に憶えると混乱するだけだと。
 そういうわけで、ぶっつけ本番となった。
 幸い、判定結果は事なきを得て、認知症の水準には達しなかったそうだ。しかし、前夜のあの慌てぶりを忘れていない。からっきし答えられなかった自分の現状だ。本当にこの結果を信じてよいものだろうかと、半信半疑なのである。
 免許返納を決断する日は、そう遠くない気がしきりだ。 

  午後からは、曇天。こんな日は、物憂くて悲観的なことばかり考えてしまう。


閑すぎて、なじみの喫茶店へ行ってみることにした。

春寒の雨降りやまぬ店遠し

窓辺には退屈な男とシクラメン