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ため息俳句 富士山とヒバリ
昨日の強風が弱まり、気温も十七度まで上がるとの予報。
それではと、隣町の行田市郷土博物館に展示されているという埴輪を見にゆくことにした。
運動不足を多少補う効果があろうと、電動アシスト自転車で出かけた。
六〇代に入る頃、サイクリング用の自転車を購入して近辺を2、30キロほどから走り始めた。
その関係の雑誌など読み始めると、ポタリングという言葉に出会った。ざっくりと言えば、堅苦しく目的地などを設定せずにお散歩感覚でゆけるところまで自転車を走らせる、そんな乗り方をポタリングというのだと知った。
自転車に乗り始めた当時、まずドロップハンドルに慣れなくて苦労した。皮のサドルも尻が痛い。細いタイヤも安定しないように感じられ不安だ。そんなことで、ひとっ走りしてくると、肉体の疲労もあるが神経もやられた。
そうした折、ポタリングという乗り方は、いわば発想の転換させてくれた。走ることが楽しくなった。のんびりゆっくり、道草しながら休み休み、そうした走り方に変わった。
今日も、埴輪を見にゆくという目的は一応あるが、久しぶりに隣町の方向へ走って、何か面白いことはないか、あれば楽しかろう、そういう気分で走るのであった。
とにかく、しばらくぶりのポタリングである。それも電動ママチャリで。ここまで来ると、まったく自分のことながら、呑気なものだと思いつつペタルを踏むのであった。
そうしている内に、見知らぬ道路をいつの間にか走っていることに気づいた。知らぬうちに開通した道路であるようだった。まだ、真新しい道だ。道路標識では、直進すれば方向としては問題ない。
だが、なんともつまらない道だ。畑の中を一直線に続く。
これでは、ポタリングにならない。
そこで、南に舵を切って、一車線ほどの農道を行くことにした。その方向の先で、以前しばしば行き来した道路に突き当たるはずだと、見当をつけたのである。
道の両側は、麦畑が一面に。
もうずっと雨が降っていないので、土は白々と乾ききっている。そこに麦が青く芽を出しているのである。
ふと、ヒバリの声が聞こえているのに気づいた。
今年、初めてのヒバリである。
自転車を止めて、カメラを取り出し、遠く近く目をこらしてヒバリの姿を追っていると、・・・、富士山が見えているではないか。
冬のよく晴れた日には、このあたりでも場所よっては、富士山が綺麗に見えることがある。
この一面の麦畑の真ん中で、白い富士が見えた。
なんだかわからないのだが、うれしい。
早速に、手にしているカメラで、富士山を撮った。
が、今その画像を、ここにあげようとしたところが、その画像が出てこない。
なぜ?
そういうわけで、締まりのない終わり方になってしまうが、ここで今夜も力尽きた。おやすみなさい。
上のヒバリも、これまでに撮り貯めてあったもの、あしからず。
揚げ雲雀とっとっとっとっ富士近し 空茶