ため息俳句 十月の満月
今宵はスーパームーンであると、妻が教えてくれた。
ちょうど、里芋の煮っ転がしを作ろうと、皮を剥いていた。あのNHKの「みんなのきょうの料理」のサイトで、尊敬する土井善晴先生の「煮っ転がし」がでていたので、今回は土井先生のレシピに従うことにしたのであった。
その里芋の皮剥きは、新鮮な芋であればスポンジでこするだけで簡単に剥けるとあった。これはよいことを教えて頂いたと、シンク下の収納をさがすと新品で手頃なスポンジがでてきた。
そこで、せっせと皮をこすった。確かに皮がとれる。だが、はじめてで馴れないせいか、これが案外手間どって、何時ものようにピーラーで剥いてしまったほうが楽ちんであったのだ。もしかすると、芋が新鮮では無かったのかも知れない。でもこれは数日前、農産物直販所で購入したものなのだ。
まさしくそんな皮むきの最中、庭先から戻ってきた妻が、「今、ちょうど、スーパームーン、窓から見えるよ、見て見て」と、ちょっと興奮気味に声をかけてきたのだ。
こちらは、皮むきに集中していたので、「後でね、見るさ」とすげなく云ってやったのだった。
そうして、芋の煮っ転がしは完成し、今晩の一品になったのであるが、可も無く不可も無い味に仕上がった。でも、ほくほくはほくほくであったのだ。
あれから時は進み、今はほぼ23時であるが、物干しベランダに出て、遅まきながらスーパームーンの月見をしたのであるが、うっすらと曇っているせいか、スーパームーンは薄ぼんやりとして、月影の冴えがない。 今夜の月は、アメリカ先住民の風習ではハンターズムーン(Hunter’s Moon)というそうで、もしかしたらこの月明かりで猟をしたのかと想像するが、どうなのだろう。もしそうならば、今夜の月明かりでは、いかがなものかしらと思うのであった。
煮っ転がしほっこり喰うて秋の月 空茶
独り居にいとど遙けき巨き月
老いてなほ狩猟者たれとや今日の月
なんとか、書けた。ちょっと、最後にカッコつけたのは、ますます爺ィになってゆく我が身に、喝を、なんて。このところ、この愚ロクに飽きてきた。やはり秋だからか。つい、さぼりたくなる。みなさん、お休みなさい。