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ため息俳句 投票日

 近所の投票所へ行く人が、ぽつりぽつりと家の道を通りすぎてゆく。どんより秋曇り。

 隣家の柿が窓越しに見える。

柿の葉の落ちて実ばかり残りけり 空茶

 
 両手の爪が延びていると数日前から気付いていたが、ようやくに今朝がた切った。100均で買った使い古しの爪切りは、切れ味が鈍ってきた。

刻々と尖り秋に爪を切る


まだ家の菊は咲いていない。道端に石の地蔵さま。

投票日供花くげらし小菊黄なるかな


畑にこぼれた向日葵が、青々と大きく葉を広げて、蕾も膨らんできた。

向日葵やさながら夏のこぼれ種


空まめ、発芽。

そら豆のいつかと知れず萌えにけり


 新米、届く。夏の猛暑と水不足。その結果である。

反当たり三俵減と農夫云ふ


 コスモスが咲きそろうと聞いて。

この道はコスモス畑へと続くはず