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嘘だと思ったら好き勝手に思うまま5分間即興演奏をしてみてください。
このままではいつになったらモーツァルトにたどりつくんでしょうか。
我ながら呆れるけど。
すぐ横道にそれて申し訳ないのですが私的音楽の旅遥かにしばらくお付き合いいただければ嬉しいです。
【きっかけ屋☆映画・音楽・本ときどき猫も 第75回】
昨日の「テイク5」の聴き比べはいかがでしたでしょうか?
ちなみに「テイク5」を演奏したデイブ・ブルーベック・カルテットのドラマーはジョー・モレロ。
高校一年の時ぼくにジャズを教えてくれた滝川くんの家からの帰り道に大井町駅前の中古レコード屋さんハンターでソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロサス』と一緒に買ったレコード『イッツ・アバウト・タイム』はジョーのリーダー・アルバムです。
1964年にデイブ・ブルーベック・カルテットは来日しました。
ジョー・モレロは強度の弱視のため牛乳瓶の底のように分厚いメガネをかけていたのが印象的で、感情をむき出しにせず淡々としたメリハリのあるドラミングが小気味よかったことを思い出します。
5月5日厚生年金会館でのコンサートの感想が日記に書いてありました。
きょうはデイブ・ブルーベック・カルテットを観に行ったが正直に言ってつまらない、いや、期待はずれだった。
デスモンドのサックスはスースー息がもれて弱々しい音だし、ブルーベックのピアノは何かクラシックを思わせる和音で、ライトのベースはよく聞こえなかった。
しかし、ドラムのモレロがやっぱりイカシていた。音が凄く小さいことでは他に例を見ない程だ。
ジャズを聴きはじめると同時にジャズ専門誌「スイング・ジャーナル」を毎月購読し、ジャズの研究書でジャズの歴史をおさらいし、本に書かれている名演奏を次々と聴き始めましたがジャズ史のおさらいはすぐに飽きました。
歴史をたどってブルース、ゴスペル、デキシーランド、スイング、ビバップを聴いてもどれもピンと来ず心が震えるのは1950年代以降のモダン・ジャズだけでした。
学食での昼飯を一番安いかけうどんにおさえて昼飯代を貯め都内の中古レード店をめぐって新宿か渋谷のジャズ喫茶で苦いコーヒーを飲みながら50年代〜60年代の名手たちの演奏に聴き入りました。
当時のジャズ喫茶は2時間たつとコーヒーの再注文を催促されたもんです。
自分の部屋でもいい音で聴きたくなりオーディオに手を染めますがその話も長くなるので一切省きます。
60年代中頃になるとモダン・ジャズからフリー・ジャズへと興味の矛先が向いていきました。
フリー・ジャズ=前衛(アヴァンギャルド)ジャズ。
決められたコード(和音)に縛られることなく自由に即興演奏するのがフリー・ジャズです。
な〜んだメチャクチャを演奏すればいいってことでしょ。
と言う人もいますが5分間メチャクチャに演奏することが出来ますか?
基本的なテクニックを身につけていない人がメチャクチャな演奏を始めると2〜3分で手クセだけで演奏していることに気が付きます。
同じようなフレーズの繰り返しになってしまうだけです。
自分の頭の中に湧き上がった響きのイメージを的確に楽器で表現出来るテクニックがなければ即興演奏はできません。
オーネット・コールマン、ドン・チェリー、アルバート・アイラー、エリック・ドルフィー、セシル・テイラー、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ、後期のジョン・コルトレーンに興奮する毎日でした。
3才迄聴いていたスイング・ジャズから始まり、60年代はフリー・ジャズにどっぷり浸り、70年代はニューロックにショックを受け、80年代中ごろにモーツァルトと出会いました。
最後までお読みいただき有難うございました。
いよいよ次回はモーツァルトの登場です。
またお寄り頂ければ嬉しいです。
今回はフリー・ジャズの名演をお聴き下さい。
大好きなフリー・ジャズには聴いてもらいたい演奏がたくさんあるのですが、ほとんどの方にとっては退屈だと思いますので一曲にしました。
1970年11月25日にニューヨーク市のイーストリバーで死体となって見つかったフリー・ジャズの巨人の一人アルバート・アイラーの「ゴースト」です。
切なくて胸がしめつけられる演奏だと思いますがいかがでしょうか。
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2002年から日々の雑感を書き続けているブログ「万歩計日和」です。