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洋楽ディレクターのお仕事(1970年代)っていったい何?

この場に訪れていただき[スキ]してくれたりフォローしてくれたり、Kindle Unlimitedで電子書籍『きっかけ屋アナーキー伝』を読んで頂き有難うございます。

訪れた痕跡をちょこっとでも残していただけると励みになるんです。

コミニュケーションの基本は呼びかけたら応えるというコール&レスポンス。

本当に有難う感謝しています。

【きっかけ屋☆映画・音楽・本ときどき猫も 第52回】

飽きっぽい性格なんですワタシの場合。

同じことを3年も続けていると他のことやりたいな〜と疼きます。

好奇心という大義名分でちょろちょろしながら面白そうなモノ探し、人探しな人生です。

ということで前回の続きから。

アメリカの洋楽ロックの担当ディレクターとして担当した主なアーティストはシカゴ、B,S&T、サンタナ、ジャニス・ジョプリン、ポール・サイモン、アル・クーパー、マハヴィシュヌ・オーケストラ、タジ・マハール、イギー・ポップ、ブルー・オイスター・カルトなどです。

仕事ですから好きなアーティストばかり担当するワケにもいきません。

プログレやジャズ・ロック系は好きでしたがタジ・マハールなどのブルース系とかイギー・ポップなどパンク系とかブルー・オイスター・カルトなどハードロック/ヘビメタ系は苦手でした。

洋楽ディレクターの仕事っていったい何するのよということです。

『きっかけ屋アナーキー伝』にはこんな感じで書きました。

 ここでちょっと洋楽のディレクターの仕事について触れておこう。
 と言ってもこれはあくまでも70年代当時のという注釈付き。
 国内制作では歌手や演奏者を探すことからディレクターの仕事が始まるが洋楽の場合作品は既に完成している。
(1)連日レコーディング情報がアメリカからテレックスで送られてくる。その中から自分が担当するアーティストや興味を感じた新人の情報を選別する。誰々がレコーディングを開始した→プロデューサーは誰々だ→こんな曲をレコーディングした→レコーディングが完成した。何ヶ月もかけて1枚のレコードについての情報が記されたレーベルコピーが完成し、ある日サンプル盤が届く。
(2)届いたサンプル盤を試聴して日本で発売するかどうかを検討する。(3)アルバムやシングル盤の邦題、訳詞者、解説者を選び、宣伝プランを組み立てる。
 レコードの解説を誰に書いてもらうかというのも悩ましいが、内容にみあった邦題をつけるのはことのほか楽しみだった。
 自分がつけた邦題では『SANTANA ABRAXAS』を『天の守護神/サンタナ』『A Possible Projection Of The Future』を『早すぎた自叙伝/アル・クーパー』『There Goes Rhymin' Simon』を『ひとりごと/ポール・サイモン』『The Inner Mounting Flame』を『内に秘めた炎/マハヴィシュヌ・オーケストラ』『Chicago VI』を『遙かなる亜米利加/シカゴ』などが気に入っている。
(4)発売したいレコードを制作部の会議にかける。
(5)制作会議を通過したレコードを宣伝部と制作部との合同会議で発売するかどうかを再度検討する。
(6)発売決定後は営業会議に提出して初回プレス枚数が決まる。
(7)訳詞者、解説者に原稿を発注し、デザイン部とジャケットのアートワークを制作する。
(8)宣伝部と広告宣伝の打合せをする。
(9)発売日の約一カ月前に出来上がったサンプル盤を持ってプロモーションを開始する。
 通常60日から90日かけてこの工程をこなすが、話題のアーティストは大量に輸入盤が市場に出回るので、一日も早く日本盤を発売しなければならない。その場合は臨時発売。45日工程で発売にこぎつける。
 プロモーションとはお金を出して媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビなど)で宣伝するのではなく無償で媒体にとりあげてもらう宣伝活動のことだ。
 雑誌社や新聞社の音楽担当記者、編集プロダクションの編集者や業界紙の記者、ラジオ局やテレビ局の下請け番組制作会社のディレクターにレコードを届けて記事や番組でとり上げてもらう。


このつづきはまた明日(の予定)。

明日は洋楽に飽きたころタイミング良く訪れた日本のロックというお話です。

明日もお寄り頂ければ嬉しいです。

連載はここから始まりました。

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2002年から書き続けているブログ「万歩計日和」です。


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