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36年前の元旦に発売されたその子は世界を変えるツールだった。
ワープロを使いはじめた頃アーケード・ゲームが流行り始めた。
ゼビウスにぼくは夢中になった。
生まれて初めてのアーケードゲーム体験だった。
【きっかけ屋☆映画・音楽・本ときどき猫も 第37回】
毎日何時間もゲームセンターに通ってゼビウスと格闘した。
その挙げ句。
コンピュータ・ゲームの時代に備えて我社もゲーム開発の下地を固めておくべきだと勝手な名目をでっちあげ、会社にアーケード・ゲームマシーンやパソコンを会社に導入してもらった。
「国産のパソコンなんて使いものになりませんよ。あんなものは鉄くずみたいなものです。お話になりません。最近発売(1983年1月1日)されたApple IIeがいいですよ」
パソコンを扱う会社マイクロシティの伊藤さんのアドバイスに感化されApple IIeを購入した。
経理が使っている国産のパソコンは電卓の延長にしか見えなかったけれどApple IIeのスタイリングの美しさには惚れ惚れした。
まさにマイ・コンピュータと呼ぶにふさわしい可愛らしさだ。
Apple IIeを使い始めた時に原稿をワープロではなくエディターで書くことを教えてくれたのも伊藤さんだ。
ワープロは便利な機能がついているが汎用性がない。
エディターは味も素っ気もないが文章を書くために特化されているので使いやすいと教えてくれた。
伊藤さんに言われたことを守ってApple IIe以降PowerBook G3、iMac、PowerBook G4、iBook G4、Mac miniに至る現在までエディターで文章を書いている。
現在使っているエディターはJedit Ω。
『きっかけ屋アナーキー伝』はJ-EditXで書いたが電子書籍として入稿するためにはE-PUBフォーマットに変換しなくてはならないのでWordに原稿を取り込んだ。
今回のnoteでは二度手間をはぶくために今までほとんど使ったことのないWordで原稿を書き始めたがすぐにJedit Ωに戻した。
さくさく文章を書きたいのにWordを使い慣れないので時間ばかりかかってしまうからだ。
6年ほど前からKindle Paperwhiteで電子書籍を読んでいる。
電子書籍を読むのはDVDで映画を観るのとおなじような違和感を感じる。
暗い空間に身を置き、スクリーンからの反射光で光と影を楽しむようにつくられた映画を、アットホームな日常空間でちいさなディスプレイの透過光で観ることの違和感。
LPとCDの音の違いにも通じるアナログとデジタルの感触の違い。
ぼくはデジタルは決して嫌いではない。
むしろ好きなほうだ。
デジタル時代になってからアナログで記録されていた多くの作品がデジタルに変換され、音も映像も活字もくっきりはっきりシャキッとあざやかに変身した。
デジタル・リマスタリングされたビートルズの『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band』や、ロベール・アンリコ監督の『冒険者たち 40周年アニヴァーサリーエディション・プレミアム』や黒澤明監督の『七人の侍』など、こんな音が入っていたの! こんなセリフを喋っていたの! こんなに美しい色彩だったの!とクォーテーションマークが頭にちらつく。
デジタライズされたことによる多くの発見は嬉しいけれどその反面アナログの持っていた情感といういわく言い難い味わいが失われていることも事実だ。
この続きはまた明日。
明日は電子書籍事始に関するお話になります。
お寄り頂ければ嬉しいです。
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