【IndieGame界隈トピックまとめ】「福岡インディーゲームEXPO 2024が開催決定」「パルワールド開発企業が新作発表」など|1/26~1/31
瑞牆(みずがき)です。
元ゲーム会社勤務・現小規模ゲーム開発者の筆者が、IndieGame界隈のトピックを毎週木曜日にまとめています。
インディーゲームは"好き"を形にする領域ですが、より多くの人に遊んでもらうためには界隈の情報が必要不可欠。スキマ時間に直近のトピックスをサクっと追えるマガジンにできたらと思っています。
それでは今週のトピックスをご覧ください。
【1】『パルワールド』開発企業が新作の体験版をリリース
1月19日に『パルワールド(Palworld)』を発売した株式会社ポケットペアが、25日(木)に新作『Never Grave: The Witch and The Curse』を公開しました。ジャンルは「メトロイドヴァニア×ローグライト」。体験版をDLして遊べるようになっています。
『パルワールド』の大ヒットに完全に乗じたこのタイミングで、次なる作品に注目を遷移させる広報的な戦略は、非常に"強い"ですね。
【2】「パルワールド」開発企業がKLabと提携
ハイブリッドカジュアルゲームを共同開発・運営していく旨がリリースされていました。『パルワールド(Palworld)』の開発と並行してこれらも仕込んでいたのはお見事ですね。
私見ではありますが、株式会社ポケットペアの戦略は、(インディーと呼ぶにはあまりにお金がかかっているものの)インディー・ゲーム・クリエイターにとっても学べるところがあると感じています。
それは何かといいますと、コンテンツ業界では「自分が話題になれているタイミング」が本当に貴重であり、"狙って掴める"ものではないからこそ、"たまたま自分が話題になったタイミングに次のネタをジャストで投下することで、集まっている注目をそのネタに意図的に浴びさせる"ことは超大事なテクニックであるという事です。
「自分に注目が集まる」はコントロールできない事象ですが、「自分にたまたま注目が集まっている時に、本当に注目させたい作品情報を即座に発表する」は準備と努力でコントロールできる行為です。
開発者各位は、その時に備えて常に放てる弾丸を用意しておけると結果がついてきそうです。
【3】『パルワールド』のバズの発火点を特定する試みについて
3連続で『パルワールド』関連で恐縮ですが、下記のポストの引用欄・リプライ欄が興味深かったです。開発者各位は一見の価値アリ。歴史的ヒットの瞬間に立ち会えている今、「いかにしてヒットが巻き起こっていったのか」を把握しようとする試みはとても有意義な気がします。
【4】Apple Storeがゲームのストリーミングアプリを許可
App Storeで「ネイティブアプリによるクラウドゲーミングアプリ」が解禁されました。
従来は、iOSはクラウドゲーミングが制限されていました。理由は、筆者の推測も含みますが、以下のようなものかと思われます。
・追加されるコンテンツの審査ができない
アプリのアップデートなら審査できるが、アップデート不要でゲームが追加・変更されるとAppleが審査できるタイミングがないため。
・Apple側に恩恵が少ない
ユーザーはクラウドゲーミングとそれ以外を区別しない(スマホゲームはソシャゲでも通信必須なので猶更…)ため、通信環境やクラウドゲーミング側のトラブルによるものであっても、iPhoneのせいでプレイできないなどと言われがち。というか、そもそもGoogleのStadiaを筆頭にクラウドゲーミング自体の評判があんまりよくなかっ(以下略。
今回のAppleの変更も、全世界適用のものとEU圏だけのものに分かれてるため、一概に情勢を読み取ることは難しいですが、ひとつの大きな動きではありました。
【5】『Romp of Dump』、「話題の新作」にラインナップ
ゲーム開発者・ザクロスケ氏によるクズ囚人観察ADV『Romp of Dump』がSteamの「話題の新作」に掲載されたとのこと。リリース10日で9,000DLを達成されているそうで注目を集めています。
『Romp of Dump』は無実の死刑囚として「賭けトランプ」で囚人達の秘密を暴くゲーム。筆者もプレイ済みですが、とてつもなく豪華に動くキャラクター達を半強制的に愛でられる素敵なキャラゲーでした。
継続的なプレイのモチベーションを担保してくれるソシャゲ的な工夫も豊富ですので、未プレイの方はぜひ。
【6】今週の注目ゲーム
まだ発表されていないタイトルも多いですが、今週、SNSで話題にのぼったいくつかの作品をピックアップします。
(1)『Hookah Haze(フーカーヘイズ)』
余命わずかな主人公として秋葉原のシーシャ(水タバコ)屋を経営するヒューマンドラマADV。キャラクターデザインが非常に可愛い。配給はアニプレックス、開発元は株式会社アクワイア。インディーには括りにくいですが、注目作です。
広報もかなり力が入っており、キャラクターの公式アカウントも存在しています。かわいい。
画面的には『コーヒートーク』『VA-11 HALL-A』を連想させるムーディーさ。色味は紫・青・ピンクと、アンダーグラウンドめなKawaii文化モチーフ。発売が楽しみです。
(2)『NIGHTMARE OPERATOR』
東京で“妖怪”を狩るアクションホラー『NIGHTMARE OPERATOR』の最新映像が公開されました。PS1ライクなクリエイティブと、クリーチャーデザインで注目を集めていた作品です。
デザイナーは、現実の風景に怪異のいる様子を描くイラストレーター"ノInH氏"とのこと。かっこいい。
(3)『プラモギア』
ふりーむ!にてリリースされたホビーアニメ風RPG。非常に「ぽい」デザインと、歯応えのあるゲーム性で話題になりました。
メダロット等に想いを馳せられる世代にはブッ刺さるタイトルではと思います。
(4)『BatteryNote (バッテリーノート)』
ゲーム製作者・nnsn氏(72studio)によるゲーム企画。捨てられていたロボットを"好きな量だけ"充電でき、過剰に充電しすぎることでショートもさせられるという、人の心がアレな企画動画に、多くファンが魅了されコメントが集まっていました。
現在は既にキャラクターデザインが為され、名前も決まり、着々とファンアートや本制作が進んでいる模様。遊べるのがとても楽しみです。
気になった方はハッシュタグからアートを眺められるので、ぜひ。
(5)『PPI』
『就労!アクマ・デ・カンパニー』『4日後に死ぬ!』(※筆者注:名作です)などを手掛けるゲームクリエイター・鮫崎氏による短編ADV。各種メディアや実況で広がり、絶賛話題になっています。
一つのドットから始まる物語。今週プレイすべきゲームです。
【7】福岡インディーゲームEXPO 2024が開催決定
2024年3月23日(土)〜3月24日(日)にキャナルシティ博多にて開催されるとのこと。出展料含むレギュレーションはこれから発表されます。
【8】SEGAのローカライズについての議論が活発
SEGAのインタビュー記事に海外ゲーマーから反論が集まっています。インディゲーム『シロナガス島への帰還』作者の鬼虫兵庫氏のポストが要点を分かり易くまとめていらっしゃったので、掲載させていただきます。
インディーゲームは大手パブリッシャーが囚われがちな「大人の事情」から独立したジャンル。いわゆる「ポリコレ」に対して各々がどういったスタンスをとるかは、一考の価値アリ……でしょうか。
【9】忘れちゃダメ! 近日開催のIndieGame系イベント
筆者の備忘録を兼ね、近日開催されたり参加が締め切りとなるIndieGame系イベントをまとめています。
(1)KYOTO PLAYROOM Tabletop Jam
(2)TOKYO SANDBOX 2024
エントリー期日:2024年2月15日
開催日:2024年4月28日(日)
(3)TOKYO SANDBOX 2024
第四期生が2/15まで募集中、2/6 19時より説明会実施。
(4)TOKYO INDIE GAMES SUMMIT
開催期間:2024年3月2日(土)〜2024年3月3日(日)
(5)東京ゲームダンジョン5
開催期間:ゴールデン・ウィークを予定
【ご報告&募集中】
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掲載にご興味がある方は、以下のポストをご確認の上、ぜひご応募くださいませ。
【おわりに】
お読みいただきありがとうございました。
毎週木曜日に今後も自分のペースでまとめていけたらと思っています。
モチベーションになりますので、よろしければ記事への♡と、筆者のフォローをいただけると嬉しいです。
連載しながら情報感度や精度を高めていきたく、もし「こんな出来事もあったぞ」「うちのゲームも掲載しておいて」など、ご指摘やご要望がありましたらお気軽に筆者のXアカウントのDMまでご連絡くださいませ。
それではまた次回。
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