最近読んだ本

■シナモロールの『エチカ』
スピノザの『エチカ』のシナモロール版。内容は読む前からだいたい察せていたものの通り。シナモロールが可愛いのでそれだけで価値がある。

■夜を着こなせたなら
短歌集。短歌ってこんなに自由なんだ、と思わされた。単語の途中で七五調の区切り(適切な語彙を知らない)が来てもいいらしい。

■静かに生きて考える
森博嗣がネットで連載していたエッセィ。いつも通りの調子なので、ファンには読む価値があるようで、ないようで。

■お金の減らし方
再読。お金の増やし方、なんてタイトルだったら絶対に買わないので、広告としては成功しているのだと思う。増やしたがる人にはリーチしない内容だから、購買の前から読者を選別している意味でも上手いなぁ、と思う。

■言語の本質
話題の図書。オノマトペとアブダクション推論から「言語の本質」というとんでもなく高い山に挑む内容。正直、理解ができたかと問われるとアヤシイが、赤子が言語習得の過程で知識が新たな知識を想像する仕組み(ブートストラップ)を備えている、という部分が興味深い。内容とは無関係ではあるが、こういった「学者たちがとんでもなく大きな問題に挑戦している」姿勢を見せられると、なんとも言えず希望が湧いてくる。人間、捨てたもんじゃないな、感だろうか。

■赤い蝋燭と人魚
青空文庫にて。よくある人魚物語の中でも古い部類、なのかしら? 平易な内容なので小中学生向けかもしれない。それでも文章によって描写される情景がありありと浮かぶあたり、難解な語彙が表現を豊かにするわけではないのだと思わされる。

■ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
この時代には珍しいベストセラー。ベストセラーを読む、というのも稀な経験。親子エッセィ的なものを期待していたけれど、切り込む内容は差別や偏見などのヘビィな内容。左寄り(リベラル?)な内容だから読む人は選びそう。実際、このテの「著者の主張が強い感」は苦手だった。

■科学に志す人へ
これも青空文庫にて。若さ、純朴さ、そういうのはそれだけで価値があるな、と感じる。年を取ったせいかもしれない。学者になるには幼さが足りず、世を渡るには狡知が足りない。でも、大抵の人がそうかもしれない、なんて考えた。

■人が増えても速くならない
会社の書棚より。さっくり読めて、当たり前の内容が書いてある。当たり前なのに、群れると(会社になると)上手く事を運べないのは、人間の愚かさの証左か。ソフトウェア開発は一種のギャンブル。ソフトウェアは「ソフト(作り変えが容易)」であらねばならない、という意識はすっかり抜け落ちていたな、と反省。

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