現代語訳『我身にたどる姫君』(第三巻 その37)
二宮は今回の処遇を何とも思っていなかった。音羽山《おとわやま》の姫君を求めて異常なまで野山を歩き回った果てに聖人のようになり、正気を失って独り寝の夜を重ねていた。姫君の失踪を悲嘆し、いつまでも代わらぬ愛情は滅多《めった》にない。音羽山の件以後は茫然《ぼうぜん》自失となり、世の中のことにまったく関心を示さなくなってしまったのを、世話をする人々は嘆いていた。
(続く)
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前回にも少し顔を出しましたが、久し振りに二宮が描かれています。
二宮は姫君の失踪後、野山を探し回って疲れ果て、今はほぼ引き籠もり状態になっているようです。
かつては二宮が女好きで、対する権中納言が好青年でしたので、今や立場が逆と言えます。これまで何度か触れているように、権中納言の性格が変わってしまったのは、女三宮と姫君が持つ「魔性の血」のためだと個人的に思っています。
それでは次回にまたお会いしましょう。
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