雨雲と太陽が手を繋いだ日
先月下旬、病院からの帰りに 虹を見つけました。
抗がん剤治療が始まってから 体調不良が続き、電車で 病院行くのも しんどいので タクシーで行き来しています。
交通費もったいないけど 仕方がありません。
まあ、タクシーの運転手さんも いろんな方がいて 面白いです。
この日、タクシーの中から
虹を眺めました。
初めてのタクシー会社だったし 初めての運転手さんだったのですが 赤信号で 止まった時 なんとなく
「虹が出てますよ」
と にこにこ 話しかけてしまいました。
『虹? 珍しいなぁ』
と 仰ってました。
珍しいのかな、と思いながらも
「虹を見ると なんだかわくわくします」
と話しました。
すると、運転手さん
わざわざ 見えやすいところに 止まってくださいました。
運賃が…、とか そういうことを気にするのは やめよっと。
ちょっと 一瞬 考えちゃったけど
運転手さんの気持ちが 有難いです。
おかげで ゆっくり虹を見れました。
🌈
その翌日のお昼。
雨が降っていました。
今年の夏は暑すぎたからか 身体が 心底 雨を恋しがっていたようです。
この日とは 別の日に
雨の匂いを嗅いだ時 身体に沁みました。
もともと雨は嫌いじゃありません。
だけど 大人になって これほど、心底 雨に 喜びを感じたことはなかった気がします。
沁みるんです。
とにかく沁みるんです。
この日も 雨が嬉しくて ベランダに出ました。
抗がん剤の副作用も個人差があると聞いていましたが わたしは フルコースで 経験してます。
へとへとです。
ベランダに出て
椅子に座って 雨を見上げてました。
なんて気持ちいいんだろう。
その時の雨です。雨の音が気持ちよくて撮りました。
雨は わりとすぐに 上がりました。
あ。
ていうことは 虹が出るんじゃないか、と きょろきょろ見渡しましたが 出ていません。
何度も見渡していると、
思っていたより 低い位置に 薄い虹が出ていました。
薄くても 見えづらくても 虹を見つけると 嬉しくなります。
「ありがとう」
空にお礼言いました。
その後 少し休んで 買い物に 自転車で 行きました。
気晴らしにもなるし 行ける時は わたしが買い物行きます。
気持ちよかった雨を思い出して 自転車漕ぎました。
🚲
買い物をして、お店を出ると 雨が降っていたようでした。
まだ 雨が残っていたんだなぁ。
すると、帰り道の方向に また うっすら虹が出ているのを見つけました。
わあ、嬉しいな。
2回も見れたな。
ありがとう。
…
んー… あれ?
なんかまだ 色が残ってる気がする、と思い、気になる空の部分を じーーーーっと 見つめました。
え…
あ!
うそ…
待って。
待って。
虹、待って。
体力が落ちているので 買い物だけでも疲れるし さっさと帰ろうと思っていたのに こういう時は 予備の体力が 発動するようです。ふふ。
おうちを通り過ぎて 自転車を がんばって漕ぎました。
きっと 坂道登りきれば 見えるはず。
待っててください。
ふふふ。
やった。
坂道登ったら 綺麗な二重虹が出ていました。
この日、3回目の虹の色は
だんだんと 濃くなっていくところでした。
南から北へと 虹色を架けていきます。
半円までは 届かなかったけど
結構 虹の先は伸びました。
前日に LINEで話していた友達と、次女に
虹が出てるよ!と知らせました。
友達は ちょうど ベランダに出たところだったらしくて タイミングよすぎ!と 驚きつつも 虹が綺麗だから ついでに 見ながら 散歩してくる、と 返事が来ました。
次女も 見れたようです。
ずっと 虹が見たいって思っていたけれど 見れなくて 虹を恋しく思っていたんです。
そしたら この日 一日に3回の虹を見ることが出来ました。
一日に 3回 虹を見たのは 生まれて初めてかもしれません。
日食なつこさんというアーティストが作った曲で 『雨雲と太陽』というのがあります。
雨雲が太陽に恋をする話です。
これをときどき ふと思い出しては 考えていたんです。
この日の虹を見た時も 思い出しました。
太陽と雨雲が手を繋ぐと
虹が架かる。そんな恋は とても素敵だなぁ。
ありがとう
何回も ありがとうと伝えました。
抗がん剤治療は 想像以上にきついのですが、悪いことばかりじゃないようです。
大切な幸せを知りました。
必要なことを知りました。
今日は 虹の話をしたかったので これで終わりますが また 日常のことも 書きに来ます。
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