Lou Reed. Transformer (1972)
ルーリードはよく分からない人です。ヴェルベットアンダーグラウンドは良さがわからなかったもののあれだけ評価されているならと思い3回ほど聴いたものの前衛すぎて挫折。ベルリンやライブ盤もなんか合わないと思い(ベルリンの詩の世界観はちょっと好き)、メタルマシーンミュージックに至っては音楽とは何かという哲学的なことを考えました(結論は出なかったけど)そうこうしてロックからも遠ざかりヒップホップを聴いていた頃ルーリードと再会します。ATCQのCan I kick it?で使われているかっこいいベースラインがルーリードのワイルドサイドを歩けからサンプリングされたこと、そしてこれが収録されたトランスフォーマーが彼の最高傑作だとここで初めて知りました。グラムロックの中にほどよく彼のクセを溶かし込んだこのアルバムは好きなロックのアルバムトップ10に入るくらい好きな一枚です。
メンバー
ルーリード:ボーカル、ギター
デヴィッドボウイ:ギター、バッキングボーカル
ミックロンソン:ギター、バッキングボーカル、ストリングアレンジ
ハービーフラワーズ:ウッドベース、エレベ
クラウスフォアマン:エレベ
バリーデスーザ、、リッチーダーマ、ジョンハルシー:ドラム
ロニーロス:バリトンサックス
サンダーサイズ:バッキングボーカル
Vicious
ファンキーなベースとカミソリのようなファズギターがかっこいいロックンロールナンバー。後半で出てくるサイケでヘロヘロなギターが強烈です。
Andy’s Chest
ウッドベースを使った気だるいバラードナンバー。パンチの効いたリズムとデヴィッドボウイのbコーラスが入るとグラムっぽくなります。目立たないけど個人的には好きです。
Perfect day
ワイルドサイドを歩けの次に人気の曲といえばこれでしょう。気だるげながらも美しいバラードナンバーです。ルーのボーカルは歌というより朗読を聞いているようです。その歌詞は恋人との何気ない喜びを歌ったように思いますが最後に「自分で蒔いたものは自分で刈り取らなければいけない」という意味深な歌詞あることで他の曲でも歌われるドラッグや異常性癖、同性愛を思わせます。
Hangin’ around
威勢のいいロックンロールナンバー。サビは高速で転がるピアノを聴きながら一緒に歌ってしまいます。ハリーやジニー、キャシー(違うかも)も実在の人物でしょうか?
Walk on the wild side
このアルバムを聴くきっかけにもなった一曲ですアコベとエレベを重ねた沈み込むようなベースライン、かすかに聴こえるストリングス、女性コーラスが気だるさと怪しい美しさを感じます。
Make up
ダークながらも少しコミカルな曲。チューバの音が古いジャズを思わせます。
Satellite of love
ボウイっぽいタッチのミディアムナンバー。ポップで聴きやすい曲ですがかえって不気味です。
Wagon wheel
ほんのりカントリー風のグラムロックナンバー。
New York telephone conversation
童謡か遊園地で流れていそうな呑気でユーモラスなメロディの曲
I’m so free
力強いギターリフがかっこいいグラムロックナンバー。グラムロック度はこのアルバムで1番高いかも
Goodnight ladies
古風なジャズボーカル風の曲。