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Quincy Jones - You’ve got it bad girl (1973)
ビッグバンドでの録音が多かったクインシージョーンズですが本作A面では今までのビッグバンドスタイルを離れ、より大胆にソウル、ファンク的なサウンドを導入。これをきっかけにビッグバンドスタイルを辞めよりモダンで身軽なバンドを率いてソウル、フュージョン、ディスコ、ブラコンといったジャズから離れた音楽をすることになります。
メンバーは全てのクレジットがなくリズムセクションの一部とソロイストのみです。
クインシージョーンズ:トランペット、ボーカル、アレンジ、プロデュース
ボブジェイムズ、ジョージデューク、デイブグルーシン:キーボード
エディルイス:オルガン
フィルウッズ:アルトサックス
ジェロームリチャードソン:テナーサックス、ソプラノサックス
アーニーワッツ:電気サックス
キャットアンダーソン:トランペット
ヒューバードロウズ:フルート
トゥーツシールマン:ハーモニカ、ギター
デニスバディミール:ギター
チャックレイニー、キャロルケイ:ベース
スティービーワンダー:ハーモニカ、コーラス
ヴァレリーシンプソン、ビリープレストン、ビルウィザーズ:ボーカル
Summer time im the city
グルーヴィなベースと煤けたオルガンが印象的な気怠げかつ涼しげな雰囲気のジャズファンク。曲名に引っ張られているかもしれませんがこの時期に聴きたくなるサウンドです。
Eyes of love
ハーモニカとウッドベースが印象的なドリーミーな曲。演奏者名は分かりませんがこの時代らしいエレピの音が心地よいです。
Tribute to AF,-RO
A) Day dreaming
アレサフランクリンのカバー。メロウかつファンキーなのは原曲と同じですがボサノヴァっぽいドラムなのがクインシーらしい感じがします。
B) First time everI saw your face
ロバータフラックのカバー。フィルウッズの歌うようなサックスが最高にかっこいいです。これはしつこく言っていますがビッグバンドのジャズやポップス、フュージョンでフィルウッズがいるアルバムはハズレがありません。そしてヴァレリーシンプソンの厳かで透き通るようなボーカルもとてもいいです。
Love Theme from The Getaway
映画ゲッタウェイの主題歌のカバーで印象的なハーモニカを吹いているにはトゥーツシールマン。彼のアメリカ人のミュージシャンとはまた違う哀愁やブルース感のあるハーモニカは本当に素晴らしいです。
You've Got It Bad Girl
スティービーワンダーのカバー。比較的オリジナルに忠実なカバーですがストリングやビックバンド風のホーンがクインシーらしいアレンジです。ギターソロはデニスバディミールというギタリストでドンチェリーやチコハミルトンと共演した後レッキングクルーの後期メンバーの1人になり、その後もジャズとセッションミュージシャンを掛け持ちし、さらに参加した映画のサントラは900本というすごいギタリストです。ボーカルはクインシー本人。かなりスティービーに声が似ているうえにスティービーは本作に少しだけ参加しているのでノンクレジットで本人が歌っているのかも。
Superstition
この曲ではハーモニカでスティービーワンダー、コーラスでスティービーワンダー、ビルウィザーズ、ビリープレストンの3人がThree Beautiful Brothers名義で参加しています。演奏もスティービーのハーモニカにホーンミュージシャンの熱いソロと原曲とはまた違ったかっこ良さがあります。
Manteca
ディジーガレスピーのカバー。ほとんど50年代のラテンジャズのアレンジでクインシーの派手なホーンアレンジが好きなのでこういう曲は嬉しいです。
Sanford & Son Theme
ラテン風のコミカルなファンク。LAあたりのファンクグループっぽい雰囲気でウォーとかと合わせて聴きたくなります。
Chump Change
クインシーらしいビッグバンドとファンクをうまく融合させた曲。この曲はテレビの主題歌らしいですがこんないい曲がテレビから流れてきたら内容に興味なくても曲を聴くためだけに毎回見ちゃいそうです。