祝30周年!アート台北2023出展記録 その2
いまさらながらの第2弾…。すみません。
第1弾はこちらからご覧ください。
あれやこれやとしているうちにもう今年のアート台北が見えてきました。
会場の様子 その2
今回は作家ブースごとにご紹介していこうかと思います。
まずは弓手研平ブースから。
今までの展示をご覧になったことがある方は、なんかスッキリしているな。という印象を持たれるかもしれません。
もう限界です…というレベルまで壁面一杯に展示するのが通常運転の弓手研平。今年もそのように、と展示作業を進めておりましたら、
「…飾りすぎです」
と主催者側からしっかり目の注意を受けました。
ここ2~3年はやんわり目のだったらしいのですが、仏の顔は今年までだったようです。
来年(今年)の出展に影響してはいけないので、点数を減らして急いで再レイアウト。ほろ苦いスタートでしたがそれならじゃんじゃん売りまくってどんどん作品掛け替えましょう!!と青い炎が灯ったのでした。
ちなみに…
これは2021年のアートフェア東京の展示。凄いことになっていますが通常運転です。
週末には毎年恒例のライブドローイングも行いました。
台湾の皆さんはすさまじく食いついていただけます。最初から最後まで約1時間半、ずっと見てくださる方ばかりなのでライブ中はブースに入るのも一苦労です。
作品もたくさん決まり、青い炎はいつの間にか穏やかな色に変わっておりました。めでたし。
お次は小松孝英&塩月桃甫ブース!
20代のころから世界中で作品を発表し続けている小松孝英先生。
アーティストとしてだけではなく、様々な分野で活躍の場を広げています。2021年には初映画監督作品を公開。日本統治時代の台湾に渡り、台湾に近代美術の種をまいた作家を取り上げたドキュメンタリー映画です。
その作家こそ塩月桃甫その人です。
話題が話題を呼び、忘れ去られていた一人の日本人作家を再評価へと導きました。
詳しくはこちらに。
塩月桃甫https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E6%9C%88%E6%A1%83%E7%94%AB
ドキュメンタリー映画「塩月桃甫 」
※Amazonプライムで視聴可能です。
会期中は台湾各地に飛び回り、上映会やトークをこなす小松先生。
毎日のようにあわただしく会場を後にする姿が印象的でした。
前述の通り、会場内ではたくさんのツアーが組まれていましたが、
小松&塩月ブースは目玉スポットのようになっていました。
台湾での関心度の高さが伺えます。
そして…
この塩月作品が台湾のとある学者様のもとに。
忘れ去られた一人の日本人作家が現代のアーティストの手によって蘇り、その作品が異国の地で歴史を紡いでいくというドラマ。これをロマンと言わずなんとするのでしょう。
代えがたい瞬間に立ち会ったのだと実感しました。
先生の大作もばっちり決まりました。
終わってみると、みぞえ画廊全体としては過去1番の売上となりました。良かった。。。
30周年のアート台北は無事に終了。
メモリアルな年に実りある結果を残すことができました。
今年の申し込みもつい先日完了したので、また戻ってこれますように!!
ちょこっと番外編
会期終了後に弓手先生の取材旅行に同行しました。
そこで出会った風景について。
台湾の南端、淡水という地方に訪れた際、公園を覆いつくような大集団で写生大会が行われている風景に出合いました。
聞いてみると皆さん小学校の生徒さんたちで、学校全体で来ているという話…。
本格的にイーゼルを立ててモチーフに向き合う子がいたり、大柄でちょっとやんちゃそうな子が黙々と真面目に絵を描いていたり。
よく見ると、使われている画材もプロご用達のものです。
アート台北の会場で中高生たちが社会科見学に来ている風景にも驚かされましたが、ここ地方でも子供たちと芸術が密接に関わっていることを目の当たりにさせられました。
クラスで校庭に出て絵を描きましょう。という授業はあったかもしれませんが、学校全体で出かけて絵を描くなんてことあったかな。
普段行かない場所に出かけて創作する。普段話すことにないような友達と一緒に。図工室から飛び出して芸術と関わり合うことが、どれだけ価値のある体験になるのだろうと考えました。
今回、台湾で目に見える結果を残せたということ以上に、このような場面に多く出会えたことが自分にとっては大きな財産になったように思います。芸術と人間の関わりについて、芸術と教育について、自分の中の芸術の意味を考える重要なきっかけとなりました。
今年の台湾ではどんな経験ができるのか、今から楽しみです。
みぞえ画廊東京店 C