イマーシブシアター『反転するエンドロール』 ムケイチョウコク
2022年10月1日(土) 19時
@カフェ ポレポレ坐
¥5500(+D500)
友人が行けなくなったチケットの救済として参加してきた!
佐野功さんがご出演ということでアタシも気になってはいたものの、どういう公演なのか判らず、調べもしないまま本番が始まっていた。「アタシが行こっか?」と手を挙げたくせに、結局何も調べないまま飛び込むことに。
「イマーシブシアター」という聞きなれない言葉は帰りの電車で調べた。便利な時代だ。「イマーシブ=没入」で、体験型の演劇らしい。最近こういうの増えてるっぽい?
この公演ではチケットは「登場人物チケット」と「傍観者チケット」の2種類があって、友人が予約していたのは傍観者とのこと。「登場人物」は名前やセリフもあり、まさに物語の登場人物になる。「傍観者」はキャストに見えない存在で、舞台を好きにうろついて物語を楽しむ。ほほう。
19時の回だったけど19時ってのは受付開始時間で、支払いをしたり公演参加の説明を受けて入場する。実質開演は19時半くらいかな。幕が上がる訳でもなく、ぬるっと物語は始まっているらしい。
「傍観者」は黒いケープを羽織り、黒いマスクをかけて会場であるカフェの中へ。
フロアはパーテーションで区切られていて、手前が普通にカフェのままな感じ。アタシが中に入った時にはほとんどの席が埋まり、俳優さんと「登場人物」のお客さんが入り乱れおしゃべりで賑やかだった。グループごとに違う話をしてるし人も多くて、アタシの脆弱な脳みそはすぐ飽和(汗)。ほうほうのていでパーテーションの奥へ逃げ込む。
奥のスペースは照明が絞ってあり、キャストも少なくてぐっと静かだった。ここにお目当ての佐野くんもいたので、腰を据えて観ることに。
※公演終わってるし、ネタバレ気にせず書くよ!
終演までのほとんどの時間を奥のスペースで過ごしたので、アタシはストーリーの半分しか把握できてないんだろなー。それでも何となく・・・フロアの手前部分が現実らしき「表」の世界で、パーテーションの奥が虚構(映画)というか「裏」?の世界だってことは判った。
パーテーションにはドアがあり、出演者が時々そこから出入りするんだけど、裏と表で違う人間になってるっぽい。
「裏」は占い師の店らしい。店にはこの世界で暮らす為のIDを求めるカップル、息子を探す人、記憶を無くし自分を探す人がいた。彼らが「登場人物」チケットで参加したお客さんらしい。そして彼らと会話するのが出演者で、店主の占い師、映画監督、博打うち。この博打うちのエイトくんこそ、我らが推しの佐野功さま!
博打と言っても劇中ではコイントスしかしないんだけどね。お気障な立ち居振る舞いの彼も実は探しているものがあって、それが何と「本物の恋」💖
そのことを白状?する時の「笑うなよ?」からの、聞いたみんなが笑いをこらえるというマンガ的な流れがちょいと陳腐ではあったけど、エイトくんが可愛かったので良しとする💕
その後に登場した幼なじみのお嬢さんに突然フォーリンラブし、擦れた風だったのに恋愛ドーテーっぷりを炸裂するのも、ふた昔前の少女マンガかラブコメ少年マンガぽくて、おやおやと思いつつもエイトくんが可愛いかったので以下略w
それぞれの探し物が見つかって良かったね、と思いきや。映画は探し物がみつからない話だった・・・バッドエンドの台本が出てきて、物語がその通りに進んでいく。書き換えなくては! 映画の脚本は監督の妻が書いているのだという。
パーテーションが取り払われ、表と裏の世界がひとつになる。そして。
表のストーリーをまったく追えてないので、全体でどんな話だったのかは判らないけど、現実と創作の世界が入れ替わったり交わったりというのはよくあるし、何となくで把握した気持ち。
意外性とか思いもしない展開ってのはなく、言ってしまえばオーソドックスな流れ。観客が登場人物を演るんだからそれくらいでいいんだろうな。単なる観客じゃなく、参加してつくりあげてる感が良いのだな。「傍観者」も観ているだけじゃなかったし。世界がつながった時には占い師に導かれてフロアを練り歩いたり、最後にはフロア中の全員で、フォークダンスみたいにペアになってゆらゆら踊ったり。出演者さんが次々にお客さんの手をとって踊ってくれて、ちょっとドキドキ。あわよくば佐野くんと・・・と期待したけど残念ながら叶わず。
セリフがキッチリとは決まっていないのか、エチュードみたいなもだもだ感がちょいちょいあって。どこまで台本があったのかな?「登場人物」の方が持ってる台本にはどういうことが書いてあったんだろうと興味津々~~。リピートする気持ちわかるなあ。一回じゃわからないもん。全貌を知りたいと思っちゃうよねえ。
最初どういう公演なのか「???」だったけど、なるほど~~。これは説明しにくいわ。体験あるのみだ。
ちょいと残念だったのが結末のシーン。「傍観者」は促されて壁際の椅子に座るんだけど、アタシの目の前に座高の高い方が座っていて、けっこう重要なやりとりが見えなかった・・・
それと。ドリンクチャージがあって、終演後に会場で飲むシステムだったのね。皆さん楽しげに語らい盛り上がっていて、気づいたらぼっちになってしまったアタシ。他にぼっちの人がいれば話しかけようかと思ったけど見当たらず、さっさと飲んでさっさと退散したのであった。こういう疎外感、久しぶりだな・・・。楽しかったね、とお喋りできたら良かったんだけどね。
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