『片付けたい女たち』 BOO WHO WOOL
2023年3月16日(木)14時開演
@ワテラスコモンホール
¥4,800
キャラメルボックスの「クラシカルな」女優三人が、永井愛の有名戯曲をやるとな。お三方とも大好きな役者さんだし、これは観ずばなるまい。有名とは言ったけど、実は未見の『片づけたい女たち』。ともかくワクワクしながら行ってきた。
えっと、ヒトコト言いたい。ワテラスコモンホールは一度来たことあるのに今回も迷った。建物に着いてからホールまでがわかりにくい! 案内図にホールが書いてない! しかも入り口がカフェの中。不親切すぎる!
ツンコ/岡田さつき
オチョビ/石川寛美
バツミ/坂口理恵
舞台上はマンションの一室になっていて。おそらくはリビングダイニングと思われるが、そこは夥しいゴミやら衣類が散乱したいわゆる汚部屋。
そこにやってきたオチョビとバツミ。連絡が取れなくなった旧友・ツンコを心配し、ツンコの元カレから合鍵を借りて様子を見にきたのだ。
3人で部屋を片付け始めるが、はかが行くのはおしゃべりばかり。どころかメガネがない、車(と家)のキーがないと片付けたものをひっくり返して探し、余計に散らかってしまう。
おしゃべりの内容がね、またアレですよ。同年代だけに頷ける話が多くて身に積まされるというか。三人とも自分とは全然違うんだけど、でもちょっとずつ自分に重なる部分をみつけたり。ところどころスパンっとココロに響く言葉があったり。「心のパンツ」はなかなかのヒットw
体の不調やお互いの職場や家庭のことなど、高校時代からの付き合い故にお互いほぼ知り尽くしている三人。労わりつつ、励ましつつ、傷を舐め合いつつ。
仲いいな~。そこまで密な付き合いの同級生がいるというのは羨ましい限り。仲が良くても住んでるところが遠いと数ヶ月おきくらいに会うのがせいぜいだしなあ。(もっと近かったらいいのにね、と語り合える友がいるのは幸せです)
とてもおもしろく堪能させてもらったんだけど、ひとつ引っ掛かりが。跳び箱会議の話で、セクハラ教師と被害者の同級生の話があった。同級生には気にするなと言い、教師にはあの子は気にしいだからと愛想笑いして・・・傍観者という罪を犯したとツンコが気にしているのに対し、オチョビとバツミの「しょうがない」「17だったし」と言うのはどうかと思う。(加害者におべっか使った時点で純粋な傍観者ではない気もする)
ツンコは職場の上司にとった態度と重ねて気に病んでいて。ああいうのって、やられた方は敏感に察知するものよね・・・。物語の中では杞憂に終わったけど、実際上司はどう感じていたかは判らない。アタシ自身イジメを受けていたことがあったから、傍観者というものに良いイメージはないしな~。
さてさて。若干の引っ掛かりがありつつも、観てよかった作品でした。戯曲も読んでみたいな。
キャストのお三方が大好きなので、たんまりと味わえて幸せ。キャラメルボックスの公演自体が少なくなっちゃったし、年齢的にメインキャストは後輩さんたちに移っちゃったし、なかなかお姿を拝する機会が減っちゃって淋しいのよね。だから今回の公演は貴重!
音楽はピアノの生演奏というのもよかった。
残念だったのは、座席の段差がない列があって、その席はとても視界が悪くて。アタシはそのひとつ後ろの列だったのでそこまでひどくはなかったけど、それでも床の手前は人の頭で見えず。散乱しているモノが何だったか、チェックしたかったな~。
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