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『旅芸人の記録』 ヒトハダ

2024年9月18日(水)14時
@下北沢ザ・スズナリ
¥6,500

浅野雅博さん(アタシの贔屓!)が旗揚げメンバーとして立ち上げた、劇団ヒトハダの第二回公演。そりゃもちろんスキップスキップらんらんらん、で出かけてきた。
大衆演劇のお話でもあり、―あるいは、ある家族の物語-という副題のとおり家族の話でもあり。笑いもたっぷりだったけど、切なさもかなりたっぷりと盛り込まれて、観劇後はちょっぴりほろ苦い感じが強かったかなあ。

脚本・演出:鄭義信
出演:
大鶴佐助(夏生/蝶子の息子)
浅野雅博(清治/蝶子の後夫)
尾上寛之(冬生/清治の連れ子)
梅沢昌代(蝶子/座長)
櫻井章喜(亀蔵・鶴姫)
山村涼子(秋子/蝶子の娘)
丸山英彦(山本)

【あらすじ】
太平洋戦争まっただ中、大衆演劇の劇場、映画館は、大勢の観客で賑わっていた。劇場の外は戦火、けれど、中は笑いと涙が渦巻いていた。人々は演芸に興じることで、ひととき、暗い世相を忘れようとしたのだ。
 一九四四年(昭和一九年)、関西の地方都市にある小さな大衆演劇の劇場。女剣劇を看板にする二見劇団が、十八番の「ヤクザ忠臣蔵」を上演している。
 主役の藏造を演じるのは、座長の二見蝶子(梅沢昌代)。その子分を、蝶子の息子の夏生(尾上寛之)と、中堅の山本(丸山英彦)、亀蔵(櫻井章喜)が演じている。台本を書いたのは、蝶子の再婚相手、清治(浅野雅博)の連れ子である冬生(大鶴佐助)。音響係を、蝶子の娘の秋子(山村涼子)。蝶子の夫、清治は喘息持ちということで、舞台には立たず、炊事を担当している。それぞれが、一座の仕事を分担して、家族で支えていた。
 ある日、夏生が役者を辞めて、川西飛行機工場で働きたいと、宣言する。清治の反対にもかかわらず、夏生は一座を離れ、一人暮らしを始める。そして、秋子も婚礼をあげ、山本も徴兵され、一座から、次々、人がいなくなってしまう。
 そんな折、冬生の書いた台本が検閲に引っかかり、上演できなくなってしまう…

公式サイトより

旗揚げ公演『僕は歌う、青空とコーラと君のために』がなかなかに面白かったので、めっちゃ楽しみだった。(その時の感想
そして確かに面白かったんだけど、どっちかというと痛々しい苦味成分が意外に多かったかな。最後に希望が見える、みたいな展開もなくてちょっと辛かった。
夏生と清治、夏樹と冬生。それぞれお互いを思い合いながらもすれ違い、わだかまりを残したまま夏生は空襲で亡くなってしまう。
秋子は明るく元気いっぱいできょうだいのムードメーカーだったけど、意に染まぬ結婚を押し付けられ逐電。女は家や家長の言うがままという時代だったのかもしれないが、何ひとつ思いが叶わなくて秋子姉ちゃん辛すぎる。
劇団員は戦争にとられて役者がいなくなっちゃうし。

笑いもたくさんあったはずなんだけど、見終わって時間が経った今は何について笑ったのか、パッと思い出せないや・・・。

鄭氏の言いたいことは分かるしめっちゃ同感だったりするけども。前回公演と同じような時代、戦争に飲み込まれる人たちとエンタメ、というお話だったので新鮮味に欠けるというか。(櫻井さんの役どころがほぼ同じ・笑)

文句いっぱい言っちゃったけど、とにかく役者さんたちがみなさんめちゃくちゃ良いので、それを味わうだけでも価値があるかと。
初日から3日4日くらいで尾上さんが足を怪我してしまい、急遽大鶴くんと役を入れ替えて休演二日で上演再開したのはすごい。
アタシは入れ替え後のキャストを観たけど、まったく問題なかった。尾上さんの方が大鶴くんよりいくつも年上なのに、甘えっ子な弟と強がりお兄ちゃんになってた。でも元々のキャストの方も観たかったな~。

そして大好きな浅野さん、またもや素晴らしく。唸るほどにうまかった。体が弱いって設定だったけど、それにしてはかなり体力使ってそうな役で。どうか(千秋楽も済んだことですし)ゆっくり養生してください。
・・・いやいや、もうすでに次の舞台が始まってるんだった。もちろんこれにも参ります!

ヒトハダは12月に番外公演もあって、大好きな村岡希美さんが出ると言うので今からめっちゃ楽しみ!!
ヒトハダ番外公演『杏仁豆腐のココロ』

ヒトハダ公式サイト(公演終わったので『旅芸人の記録』についての情報はなし。過去の公演ページにもまだ載ってないし、番外公演の情報もまだ出てないけど、いちおう貼っておきます)


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深月
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