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リーディングシアター 『GOTT 神』

2024年10月14日(火)14時
@パルテノン多摩 大ホール
¥8,000

例によって推しが出る、という理由で鑑賞。軽佻浮薄。
タイトルが「神」だし劇場がパルテノンだし、前回パルテノンで観たのが『オイディプス王』だったし、なんか神話とか古典とかの類かと思ったらバキバキの現代劇だった。ちゃんと情報チェックしなさいよ自分・・・。

STORY
妻が亡くなり生きる意欲を失った老人ゲルトナー。妻の苦しんだ最期を目の当たりにし、薬による自死の幇助を医師に求めた。家族の理解も得ている。
心身共に健康な彼に、その薬を処方するのは是か非か。倫理委員会主催の討論会に各界の参考人たちが集まり討論を行う。

作:シーラッハ
演出:石丸さち子
出演:
橋爪功 弁護士ビーグラー
三浦涼介 倫理委員会委員長
岡本圭人 倫理委員会委員ケラー
浅野雅博 神学の参考人ティール司教
石井一彰 法学の参考人リッテン
玉置孝匡 眼科医ブラント
瑞木健太郎 医学の参考人シュペアリング
山路和宏 リヒャルト・ゲルトナー

ストーリーというか、その討論会の始まりから終わりまでを見せるだけというか。もちろん「だけ」なんて軽々しいものじゃないんだけど、形はそういうこと。
そして討論会に参加(傍聴?)した観客も、休憩時間に賛成・反対の投票を行う。なので投票結果は毎回違うんだけど、アタシの観た千秋楽は259:259と、全くの同票!
「すご!」とは言わなかったけど、つい「おお」って声が出てちゃった。客席のみなさんもだし、演者の方もそうだったみたい。

アタシもめっちゃ迷ったけど、えいやっと投票した。でも色々な考え方や、事由、状況、あれやこれやを知るたびに意見が変わるかもしれない。明日には逆に投票するかも。これは永遠に決着のつかない、正解などない議論だなあと。

周りの人間は彼に生きていてほしい、何かささやかでも楽しみを見つけてほしいと思うだろう。例えばゲルトナー氏を大事に思っている友人がいたとして、自分と会ったり喋ったりする時間は、彼の生きるための糧にならないのかと悲しく残念に感じるだろう。
ゲルトナーの妻が遺した「正しいことをしなさい」という言葉は生きる意味を探して欲しかったのかもしれないな、とも考える。正解はわからないけど。

マイ母は肺がんで亡くなったけど、生きていて欲しくて治療を勧めてしまった。思い返すと、かなり辛かったみたいなのでちょっと後悔している。治療しなかったらあと半年ですって言われて、辛いのを頑張って治療してもぴったり半年でいっちゃった。
でもゲルトナー氏は健康なんだよねえ。もにょもにょ・・・


「命は誰のものか」
たくさんの話し合いがあって、さまざまな観点・切り口から議論が交わされるけど、ここで考えている問題はただひとつだと。


リーディングと言っても討論会のワンシチュエーションで、普通にストプレだって言っても通るような気がする。橋爪さんの手練れというか老獪な弁護士、さすがだった。みなさんお声が良いのでうっとりする。いや、内容的にそれどころじゃないんだけど、つい一瞬、あっちの世界に行きかけたわ。危ない。

脚本はシーラッハ。何年か前に『テロ』という作品でけっこう話題になってたのを覚えている。裁判もので、今回と同じく観客が投票する形式の舞台。気になったけど観ずじまいだったので、今回この作品を経験できてよかった。

割引チケット買ったらZ席のハジっこで、まあ良い席は望んでなかったけどめっちゃ遠かった。アタシの前3~4列はほとんど空席だったので、詰めてもいいじゃん・・・と思ってしまった。
なのでどなたもお顔はまったく見えず、まあそれはしょうがないんだけど(性懲りも無くオペラ忘れたアタシが悪い)、音響のせいか声も聞こえにくかったのが残念~~

パルテノン多摩 公演情報

えんぶ 情報キック『リーディングシアター『GOTT 神』開幕コメント到着!』

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深月
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