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『湯を沸かすほどの熱い愛』 ナッポスプロデュース

2024年5月25日(土)13時
@サンシャイン劇場
¥8500

例によってナッポスさんの、キャラメルボックスじゃないけどキャラメルな公演。脚本・演出は成井豊、キャラメルからは岡内さんかじもん筒井くん美咲ちゃん。今回はスルーかな~と思っていたところ、お安いチケットがあったので購入。
原作が映画だってことも、ストーリーも、まったく知らないまま観劇。原作が他にあるモノを料理する成井さんの腕前は信用しているので、予想通りなかなか面白く観ることができた。まあでも第号泣大感動というほどでもなく、ほどほどに「良かったねー」という感じなのも予想通りかな~。

<STORY>
幸野家は、銭湯「幸の湯」を営む一家。
しかし、父・一浩が1年前に蒸発し、銭湯は休業状態。
母・双葉はパン屋でパートをしながら、高校生の娘・安澄を育てている。
ある日、パン屋で倒れ、病院で検査してもらったところ、重大な事実が判明する。
ガンが悪化していて、余命はわずか2カ月!
絶望のどん底に突き落とされた後、双葉は決心する。
私にはまだやらなければならないことがある。
死ぬまでに必ずやり遂げてみせる!
次の日から、双葉はなりふり構わず、行動を開始した‥‥。

公式サイトより

余命2ヶ月で双葉のあのバイタリティ、すごい。アタシの母は肺ガンで、発覚時に余命半年と言われ最後の2ヶ月はほぼベッドで過ごした。(治療しなければあと半年って余命宣告だったけど、治療したのにぴったり半年で亡くなった)
こんなに熱く、パワフルな人は見たことがない。まあだから物語になってるんだけど。
パワフル過ぎてちょっとうざい。いじめに遭って登校拒否する娘を、無理やり尻引っ叩いて学校に行かせるのは大丈夫なんだろうか。下手したら鬱とか、もっと酷い結果になりそうでヒヤヒヤした。この物語では良い結果だったけど、現実と思っちゃいかんね。
私も中学時代はいじめに遭っていてずいぶん酷い状態だったけど、月に2、3日自主休日を敢行してガス抜きしてなんとか卒業した。母はアタシが休むというと「あ、そう。じゃあ洗濯しておいて」などと曰うひとだったので助かった。まあ家族はそれぞれ。

夫・一浩のダメっぷりもすごいが、中身がかじもんなのでそこまで酷い感じがしないのは良いのかか悪いのか。さっき映画の方の情報を見てみたら、一浩役はオダギリジョーだった。人間のダメっぷりが断然すごい。かじもんの場合は「だらしないけど人は良い」って感じだけどオダジョーは「人は良い(かも)だけどだらしない」感がする。映画見てないけど。(キャラメルボックスの公演じゃないからか、原作が外部のものだからか、成井さんにはめずらしく「一回やっただけ・・・云々」というセリフがあってちょっと驚いた。流石にキャラ倫は発動しなかったかw)

いやー、ダメな男にも色々あるからな・・・アタシの父の方が、一浩よりも酷さでは上をいくと思う。親から継いだ会社を潰す、両親の介護を妻(アタシの母ね)にやらせ、遊んで借金作ってそれも押し付け、アタシらの教育資金を着服、無職の自分を雇ってくれた社長の奥さんと蒸発。暴力とかは(そんなに)なかったけど、金の面では相当だった。あのお金、返して欲しかったな。でもそんな父、優しくて面白くてカッコよくて、こどもの頃は大好きだったんだよね。何も分かってなかった頃は。

なんか自分のことばっか言っちゃった。閑話休題。
ホント全員いい人だからこの世界のひとたちは幸せだよなあと。娘の安澄も血を分けた子ではなかったけど、文字通りめちゃくちゃ熱い愛情をかけてやって。愛されるには愛せよ、なのだな。

話が面白かったんで、映画版も観てみたいな。舞台版は良くも悪くも演技が大きくて騒々しいからなあ。


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深月
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