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私が農業の現場のひとになる理由

養豚場での仕事がはじまってから2週間が経とうとしています。

まだまだ新しいことばかりであたふたしてますが、農場の皆さんがすごく良くしてくれていて、とてもありがたい。
あと、子豚はかわいいしケルヒャーがたのしい。


楽しく農場に通っていますが、もともとは第一次産業に就く気は全くありませんでした。

新卒ではふつうの会社に就職し、もし農業に関わるとしても周辺産業かなと思っていた私がなぜ養豚場で働くことにしたのか、せっかくなので書いておこうと思います。


最初に言っておくと、◯◯を変えたい!というような何か強い思いがあるわけではなくて、ご縁だなあという感じの決め方でした。


自己紹介と経歴

縁あって「山西牧場」で働くことになりました、稲葉美月(いなば みづき)と申します。

たまに変なことをしているらしいです。
 最近「は?」って言われたことは、1ヶ月車中泊で九州を一周したこと。
たぶん、自分で舵を取るのが好きなんだと思う。


大学は農学部へ。先生の話が面白いという理由で畜産学研究室を選択しました(私の大学では3年生で化学系とか経済系とかのコースを決め、4年生で研究室に配属されます)。
牧草という観点から草原の研究したので直接動物に触れていたわけではないけれど、この選択で産業動物が身近になりました。

でも、生産の現場に行く気はありませんでした。正確には、考えもしなかった、というのが正しいかも。
それほど遠い存在の職業でした。


卒業後は食品会社に就職を決め、働くこと1年。なんだか合わないな…と思い始めて1年8ヶ月で退職。

せっかくなら海外で暮らしてみようとオーストラリアでワーキングホリデーをすることにしました。
そしてそこで豚に出会うことに!


ワーホリで豚と格闘する

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オーストラリアのワーキングホリデーでは、指定の地域で一定期間農業等に従事すると2年目のビザの申請ができるようになります。
セカンドビザ申請したいし、しばらくアニマルファームで働いてみようと決意。

いろいろ応募して決まったところは、超小規模だけどいろんな動物がいるオーガニックファームでした。
豚、鶏、羊、ヤギ、ロバ、馬が放牧されています。


毎日の仕事は、出産・授乳の間だけ小屋に入っている豚のエサやりとフン掃除、鶏のエサやり。その他必要に応じて動物の移動や壊れたものの修繕を行います。

言葉でいうとこれだけなんですが、めちゃくちゃ豚に振り回されました。


とにかく豚がモノを壊す。直す、壊される。エサを持ってると私に向かって一心不乱に猪突猛進。かと思えば「これは嫌だ」と食べず、元気がなくなっていったり。

出産間近で乳がミルクで膨らんできたらそろそろかなって小屋に移動させたり、好奇心旺盛な子豚が隙間から脱走して帰って来られなくなる前に穴を塞いだり。新しい敷き藁を入れたらはしゃいでるのを眺めたり。


怒ったり和んだりしながら数ヶ月経つうちに豚の扱い方もわかってきて、感情が見えて反応がすぐにある豚、面白いなあ、、と思うようになってきました。

それに加えて、ファームの環境が私には合っていました。

基本的にひとりでファームを見ていたので(超小規模かつオーナーは離れた場所に別の仕事があったため)、何かあったら自分が対処しなくてはいけない環境。
ある程度自分に裁量権があり、自由に動けるのがとってもやり易かった!


身体を使うけど頭を使う作業は嫌いじゃないし、動物は常に癒しがあるから精神衛生上も良い。体だってやわじゃないし、ただの単純労働の駒にならずに色々と自分で動けるところだったら、現場、向いているのでは…?


でも、少ない休日×低収入のイメージが拭えないなあ…


山西牧場の求人を見つける

そんなことを考えながらオーストラリアでの次のファームを探している時に、Twitterで山西牧場の求人を知りました。


ご存知の方も多いと思いますが、山西牧場はブレることないこだわりのお肉の可能性を広めるべく、様々な取り組みをしています。

精肉の販売だけではなく、衝撃の旨さのレトルトカレーの創作、肉の旨みを最大限に引き出すような加工品の開発、わくわくするようなイベント、、
めっちゃ好奇心そそられるじゃん、、、

社長であるのぶさんはもともと知り合いだったので、「求人見ました!」と連絡したらそこから将来の話になり、

「俺がしっかり広めて、現場の人にもちゃんと還元したい。農業やってたってやる気のある人はしっかりした収入があって、従業員同士で連携を取りながら工夫すれば長期休暇も回せるような仕組みにしたい。」と。


え、なにそれ、めちゃくちゃいいじゃん、、、現状を変えたくない人って多いけど、変えることに対して前向きなのって最高じゃん、、、これから変えていく現場とかすごい面白そうじゃん、、、

しかも、
「もし興味があるなら、待っているので是非来て欲しい」
とのお言葉もいただき

行きたい、、なるべく早くここに行きたい……!!!


ワーホリはどうしても単純労働力として求められる部分が大きく、こんな求人を見たあとにオーストラリアの職場を探しても全っっ然手につかない。

結局、最低2年は海外にいる予定だったのに1年も滞在せずに日本に帰り、山西牧場に行くことにしました。
行きたいと強く思ったときがタイミング!


おわりに

そんなわけで私は現場の人になることになりました。

頭で想像するだけじゃなく色んなことをやってみて、それぞれが小さなきっかけになって自分の納得する道を選んだ結果のように思います。

この先どうなるかはわからないけど、とりあえず今はとても前向きに農場に向き合えているかな。

焦らず、着実に歩を進めていきたいなあ


おわり

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