身体の声が聞こえた!
早いもので、あっという間に3月。
昨年末からこれまで、個人的には激動の3ヶ月だった。
この3月で約30年続けてきた会社員人生にいったんピリオドを打つことを決めて、1年前から公言してきた。が、やはり期限が迫ってくるとやることが増えるし、個人的にも大きな事件が起きてしまった。本当に苦しかった。。。
1. 激動の3ヶ月
まずは、後任への引継ぎ。現在担当している事が大きく2つに分かれるのだが、1つは新人へ。もう一つは本社(海外)へ。同僚や経験の近い後輩なら簡単に済む話も、そうは問屋が卸さない。小さなことでも背景から丁寧に説明しないと、結局は伝わらない。思ったより遥かに消耗する。
本社への引継ぎは海外出張。コロナ前は年に5〜6回海外出張があったが、当然それは全てキャンセル。昨年11月にようやく復活したが、間隔があくとリズムが崩れる。単に歳をとっただけなのかもしれないけれど、今回は特にぐったり。。
そして、私にとっての事件とは、母が緊急入院して手術を受けたことだ。土曜日の明け方に家の中で転倒してしまった。救急病院に搬送され、月曜日に骨折の手術を受けた。術後の経過は良かったのだが、問題はタイミングだった。急性期の病院だったから術後の容態がよければ転院を迫られる。それが海外出張にピッタリと重なってしまったのだ。入院当日から海外出張の予定を病院側に伝え、転院先候補の面談も複数受け、希望まで決めて、そこまで説明して出張に出たのだが、出張中も早く戻って転院せよと電話でプレッシャーが来て、数日間眠れなかった。
2. 体調の変化、悪化
元々ストレスが食に向かうタイプなのだが、今回も見事にその通りとなった。つまり、急激に体重が増加した。これはテキメンに肌の調子に影響する。目の周りが赤くなったり痒くなったり。
病院からの電話攻勢で睡眠のリズムが破壊された。物理的に日本を離れている間は、できることにも限りがある。悩んでも何もできないのに悶々と考え、とにかく寝ようとすると次の電話がかかってくる。幸い怪我や事故はなかったが、フラフラしてた日もあった。
3. 突然、身体の声が聞こえた!
私は、身体の情報察知能力や情報処理能力、つまり身体の叡智を信じている。生き物には種を守るため、優れた危機察知能力がある。そのおかげで長い間絶滅することなく、変化を繰り返しながら綿々と生命をつないできたと思うのだ。
でも、その機能は案外もろい。もろいというか、うまく使えなくなってしまう時がある。身体が声を発しているのに、聞こえなくなったり、聞こうとしなかったり。本当はあまり好きではないことでも世間や家族からの評判がよいと我慢して受け入れる。これを繰り返していると、「ちり」のような小さな違和感が身体のどこかに山を作ってしまうこともある。そのうち、声は聞こえなくなってしまうことだってあるらしい。
ストレスやプレッシャーは、身体の聴力を弱らせるようだ。身体の声を無視するつもりはないのに、聞こえなくなっていく。
私自身、身体の声をとても大切にしているつもりだった。しかし、今考えると、しばらく何も聞こえていなかった。その証拠が体調不良。身体の声に耳を貸して、自分を気遣っていたら、体調不良にはならないはずだから。で、そのことにさえ気づいていないほど疲労感が溜まっていた。
出張から帰国し、やること山積みながら、小さな一区切りがつき、母の転院も無事完了した時のこと。夕食の時間帯になって、ふと気がついた。
「お腹空いていないから、何もいらない」
とっても普通のことのように思われるかもしれないが、正直自分で驚いた。それまでは空腹感の有無なんて関係なく、何かしら食べていたと思うのだ。それが「お腹空いてないよ!」ものすごく久しぶりに聞いた声だったような気がした。
聞こえていなかったことも意識していなかったし、聞こう!と頑張っていた訳でもない。そこに意識が全く向かわないぐらい疲れていたし、感覚が麻痺していたんだと思う。
4. 身体感覚を取り戻そう!
ヒトは日々大小さまざまな決断をしている。迷うほどの大きな選択から、選択なんて意識を持つまでもないような小さな意思決定まで、その数毎日35,000回に上るんだそうだ。そんな日々の膨大な決断の集大成が今の自分。ふと振り返ると、どんな時の決断でも、一つ違っているだけで、自分は今ここにいないかもしれない。
大切なのは、そのひとつひとつの全てが正しかったかどうかではなく、自分が納得できるかどうかということ。人間なんだから、間違っちゃうこともある。しかし、それが自分の価値観の外から来ているものに動かされてしまったものだとしたら、長いこと違和感や後悔が残るかもしれない。そういうものは少ない方がいい。
だから、自分の身体の感度を上げて、サインをしっかり受け止めらるように、身体を整えることを意識しよう。そして、生活空間を整えよう。
身体が整うことで、心が落ち着いてくる。生活空間が整うと、視覚情報がスッキリして、次の行動がスムーズになる。その土台になるのが、ときめき。いろいろなものを手に取り、触れて、身体が何を感じるか、意識して身体の声に耳を傾けてみる。そうやって身体と上手にコミュニケーションを取っていく。とても大事なことです。
私も、激動期のピークを抜けて、身体の声が聞こえる身体に戻りつつあるので、これを大切にしていきます。