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【シロクマ文芸部】風車の弥七から連想していったこと・エッセイ


風車の弥七は少し離れた所から黄門様ご一行を見守り、うっかり八兵衛は茶屋で団子を貪り、かげろうお銀はお約束で入浴シーンを披露し、身分を隠した黄門様は町の人と触れ合い、助さんと格さんは「控えおろう!」と印籠を取り出す。

勧善懲悪な予定調和の世界。多少ピンチになろうとも、最後は見事に解決する。水戸黄門はその昔月曜夜8時に放送されていて、うちでもよく見ていた。私と弟も特に文句をいう事も無く、大人しく見ていた。もっとも、中学生になると月曜ドラマランドを見ていた訳なのだが。

さて、水戸黄門をはじめとする時代劇は意外と私は好きで通常の放送はもちろん、夕方の再放送でもよく見ていたものだ。再放送は、学校から帰るや否やおやつを片手に見入っていた。

遠山の金さん、江戸を斬る、大江戸捜査網などなど挙げればキリがない。話の筋は大体同じなので、気負わず見られる所が良かった。

時代劇では着物を着て、メイクをし、カツラを被る。そんな俳優さんを見ているとその姿に慣れてしまい、普通のドラマなどで見ると時代劇との違いに違和感を感じまくっていたものだった。

そんな時代劇の中でも心底好きでハマってしまったものがある。それは、必殺仕事人だった。

私は、高校生になってからハマってしまった。金曜日の夜10時から始まるので、それまでにお風呂を済ませて準備万端で見ていた。当時うちにはまだビデオデッキは無かったので、見逃し厳禁だったからだ。

仕事人は他の時代劇とは異なり、被害者が仕事人に仕事を依頼すると悪人を暗殺して始末するという話だ。だけど勧善懲悪の話ではないので、スッキリしないバッドエンドのような結末で終わる事が多かった。

現代の問題を江戸に持ってきたような話も多かった気がする。

それでもとても面白く、なにより演じている俳優さんがとても良かった。藤田まことさんをはじめ、三田村邦彦さん、村上弘明さん、ひかる一平さんなどが出ていたけど、なかでも私のハートを鷲掴みにしたのは京本政樹さんだった。京本政樹さんは組紐屋の竜という仕事人をやっていた。

初めて仕事人で組紐屋の竜を見た時、あまりのカッコよさに画面から目が離せなかった。時代劇でこんなに美しく色気のある人がいるのかと。

当時は土曜日も午前中は学校で授業があったので、「昨日、見た?」と仕事人の話をするのがデフォルトだった。

仕事人は私達の間でも人気があり、見ている人が多かったのだ。私は京本政樹さんだったけど、それぞれ三田村邦彦さんや村上弘明さんなどお気に入りがいた。自分の推しの仕事について語り合い、最後はひかる一平さんのエレキテルを笑う所までがセットだった。

京本政樹さんはバラエティなどでも見る事があり、大阪出身の方なので話もとても面白かった。また、歌手活動もしておられて、私は例のレコードショップで京本政樹さんのLPレコードを何枚か買ったものだ。

そんな京本政樹さんは、1993年に高校教師というドラマに出演された。このドラマでの京本政樹さんの役ときたら、ゲスすぎて胸糞が悪くなる。なまじ顔がいいだけに、何とも言えないモヤモヤが募っていた。それでも私は役は役、本人は本人と割り切りドラマを見ていた。

まあ、胸糞が悪いのは京本政樹さんの役だけではなく、全般的に胸糞の悪い設定のドラマだった訳なんだが。あれからだいぶ経った今思い出しても「ないわー」と思う。あのドラマは今なら制作できないだろう。

あの終わり方ってどういう事なんだろうと30年の時を越えて考えてしまった。ローカル線のボックス席で赤い糸で結ばれた小指と小指がぷらーんとなる所で終わるのだけど。眠っていたのか、それとも・・・。

ところで、京本政樹さんの息子さんの京本大我くんが時代劇に出るそうだ。京本大我くんは美肌でキレイな顔の子だし、あのお父様の息子くんだから、きっと美しい所作で時代劇を見せてくれるのだと思う。

風車の弥七から始まり京本大我くんで締めて、何とかオチを付ける事ができて安心している。ここまで書けて良かったと思う。


京本大我くんの時代劇

京本政樹さんが高校教師について語った事

例のレコードショップが出てくるお話

時代劇について書いた過去記事



今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪


#シロクマ文芸部
#風車

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