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【シロクマ文芸部】お月様はバナナ味・エッセイ


「月の色は黄色でね、お煎餅でできとる」
「そうね。お月様はどんな味がするの?」
「うんとね、バナナ味だった」

空にはぽっかりと浮かぶ大きな満月。日の暮れるのが早くなった秋の宵。

敷地内の仕事場から長女と手を繋いで自宅に戻る途中、ほんの10m位の距離を歩いていた時の親子の会話だった。
それはまだ次女が生まれる前の長女の一人っ子時代の話だ。

家業で働いていたので、長女には日中あまり構ってあげられなかった。だから、こういう日常の些細な時間が貴重だった。
今はクールな長女だけど、あの頃はまだ甘えん坊な女の子だった。

クリームパンのようなぷくぷくとした手、ぷにぷにの丸いほっぺは、空に浮かぶお月様のようだった。

あの日、お煎餅でできたバナナ味の月は美味しかったのかな。
こんな時間の事を長女は覚えているのかな。
覚えてはいないだろうな。
でも、あの時の手の温もりを体が覚えてくれていたらいいなと思う。


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シロクマ文芸部に参加します💛
今週のお題は「月の色」です。


今回は、サクッと短いエッセイ風のものを書きました。
まだ次女が生まれていない頃で、長女の一人っ子時代の話です。
私は、長女が可愛くて可愛くて、下の子が生まれた時に下の子を愛せなかったらどうしようと真剣に悩んでいました。
今思えば、アホですねw

月の色は黄色だと思いますが、月の色って何色くらいあるのでしょう。
アンミカさんは「白は200色、黒は300色あんねん」とおっしゃっています。
月の色って、時期や季節によっても違うし、自分の気持ちでも月の色は変わって見えるのかなぁ、なんて思ったりします。




今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪


#シロクマ文芸部
#月の色

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