【毎週ショートショートnote】ゲーム機を握りしめて

　日曜日の昼前、買ったばかりのゲームソフトを夜通しプレイしていたコウタはゲーム機を握りしめたまま眠っていた。

　突然、枕元のスマホが鳴った。コウタは着信音に気付くもなかなか電話に出ようとはしない。何回も何回も鳴り響く着信音にようやくコウタは電話に出た。

　「コウタか？」
　電話の相手は父だった。父は続けざまにコウタに告げた。
　「お母さんが出先で倒れて○○病院にいる」

　父の電話に我に返ったコウタは、飛び起きて病院まで懸命に走った。

　お母さん、倒れたって大丈夫なのか。
　このまま死んでしまうのか。
　俺、最近反抗してばかりで全然いいヤツじゃなかった。

　そんな事を思いながら走っていると涙がにじむ。

　「お母さん！」
　「そんなに慌ててどうしたの？」
　母ののんびりとした声にコウタは両親の顔をマジマジと見つめた。
　「お父さんと買い物をしていたら、貧血で倒れちゃったのよ。それにしても、コウタ酷い恰好ねぇ。それにゲーム機なんて握りしめてどうしたの？」

　ボサボサの髪とヨレヨレのスウェット姿のコウタは、握りしめたゲーム機に視線を落として顔を赤くした。

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今週のお題は「着の身着のままゲーム機」です。

きのみぎのままげーむき？
はて、どーいう話にしましょうか。
何かから逃げる話にするかとか考えつつ、結局こういうベタなお話に落ち着きました。
反抗期男子のお話です。
私自身は娘しかいないので、反抗期男子の実態はよく分からないのですが💦

今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪

#毎週ショートショートnote
#着の身着のままゲーム機