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【読書】月の影 影の海(上下) 小野不由美

自粛生活で仕事も在宅勤務が増えたこの機会に気になっていた十二国記シリーズに手を出してみました。
昨年、18年振りの新作ということでかなり話題になっていた作品。

エピソードの読み順に迷ったけれど、エピソード1の「月の影 影の海」から。

上巻は人の顔色ばかり窺ってしまう、でもある意味普遍的な女子高生の陽子の前に突然「ケイキ」と呼ばれる青年が現れる。情報がないまま、異界へと連れ去られ、罪人やら数々の裏切りやらで振り回されていく陽子(と読んでる私)。いや、ほんとよくついて行けたな、私。

故国へ帰る。
その一心でひたすらに進む陽子。

自分を助けてくれる人々を本当に信じていいのか、そしてケイキはなぜ消えたのか。そして次々と襲ってくる妖魔と戦う陽子は精神的にも体力的にもピークだったとき。

下巻で助けてくれたネズミの半獣の楽俊との出会いから物語は一気に加速する。

「ケイキ」とは誰か。自分はなぜ連れ去られたのか。全てが繋がったとき、陽子は自分の役目と宿命に向き合う。

私が住んでいる「日本」からあっという間に十二国の異界へ連れていくスピード感と勢いが凄まじい。そして妖魔と戦い、切り裂く感触と血に悲鳴を上げていた陽子が剣をふるい、裏切られながらも「生きる」ことにしがみついていく姿、宿命と向き合い、決断を下す圧倒的成長に驚く。

国を治めるとは。麒麟、天、そして王。

まだまだ十二国記の序盤にすぎない。
面白すぎる。

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