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情熱は取り戻せる!#想像していなかった未来

辛い経験をすると、価値観が変わってしまう。

息子を亡くして以来、
多くを望まなくなり、
小さな事に心から感謝出来るようになった。

それは素晴らしい。

しかし、同時に
夢や情熱まで、
自分とは関係の無いものになってしまった。

家族の死がもたらす悲嘆は
無気力へと変わり、

やがて、
生きていれば、それで良い、

という

謙虚でポジティブっぽい仮面を
上手に被って
日々を過ごすのが普通になった。

やがて、自分らしさは
仮面の後ろで
自分からも、忘れ去られていった。


この夏、
ようやく、そんな自分に、気が付いた。

そして、
仮面を剥ぎ取りたい、と
真剣に、想い始めた。

それ以来、
私は意識して、ピアノに向かった。

ピアノを弾かない私は
私らしくない、と
ずっと思っていたから。

心が、夢や情熱で
満ち溢れていた頃は、
弾くことが、ただ楽しかった。

情熱を失った私は
ピアノを、弾く意味も失った。

私がピアノを弾いても、弾かなくても
何も変わらない。

そう、分かっていながら
弾く、と決めた。

なるべく、毎日、
ロボットの様に、ピアノに向かう、
と決断し、実行した。

暫く弾かなかったので、
指は思うように動かず
それまで、弾けていた曲も
忘れかけ、失望した。

それでも、また、ピアノに向かった。

アイデンティティを
取り戻すために、
井戸を掘るように
毎日、ピアノに向かった。

上達しているか?
上手に弾けているか?
と、いう疑問を排除して

ただ弾いた。

私は、埋もれてしまった自分を
掘り起こす為に
毎日、ピアノの前で指を動かし続けた。


ある日、
自分の奏でる音に
心が揺さぶられた。


その日から
私は、自分が
何故弾くのか?
何を弾きたいのか?
どういう学びと練習を続けるべきか?
を真剣に考え始めた。

オンラインの先生にアドバイスを請い

練習の仕方や
生き方そのものを
変える努力を始めた。

生の演奏を聴き、
演奏者と語り合い、
私も、譜面通りに弾くのでは無く、
曲の背後のセオリーを学び
自分でアレンジして
即興出来るようになりたい、
自分を奏でたい、という
強い想いが、溢れ出していた。

気が付くと、
情熱が蘇り、
夢やゴールがクリアになっていた。

息子が居ない世界で
情熱的に生きても
良いのかな?

6年間、泣き続け
生きる意欲さえ失った
あの頃の私が
想像していなかった未来が
ここに在る。

人生は過酷で、失うものは多い。

でも、
情熱は取り戻せる!

そう断言したい。







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