【音楽と読む小説】食べたいほど・・・
始めに。
こちらの音楽を聴きながら小説を読むことをオススメしております。
今から書き綴る小説はこの音楽から想像した妄想小説でございます。
是非ループ再生をオンにしてお読みください。
※今回の小説は少し大人な表現(微エロ)が入る可能性がございますので、
苦手な方はブラウザーバック。もしくはスマホの画面をカチ割る事を強くオススメ致します。
さて。ご準備はよろしいでしょうか。
ようこそ。
おかしな倉庫の世界へ。
交通事故に遇って。
起きたらここに居た。
【花畑の倉庫】
死んだのか。
ここが天国なのかはわからないが、
あたりは薄暗く花が上下左右に隙間なく埋め尽くされているのはわかる。
が。
裸の女の子にナイフを喉元に差し出されているのはわからん。
全く。
僕は花畑の上に座っていて、
彼女は僕の身体に半分乗っている状態だ。
彼女が持つナイフに僕の血が流れ落ちている。
少し切られた傷がヒリっと痛むが我慢できない痛みではない。
「美味しそう」
彼女がナイフについた血を眺めて呟いた。
ヒュッと息を吸った瞬間、切られた喉が痛んで顔が歪む。
「・・・ああ。痛む?」
とろんと微睡んだ笑顔で、僕の顔を見て、
そっと僕の喉元に近づき舌を這わせる。
彼女から花の香りがした。
「痛いの痛いの飛んでいけ」
吐息交じりに言うものだから、僕の首に這わせた舌とかかる息でくすぐったくて反射でのけぞったら、僕の身体は花畑の布団に倒れてしまった。
下から見る彼女の姿。
これではまるで・・・
「・・・君は・・・ダレ?」
ようやく出てきた言葉はこれだけだった。
「あなたを"死ぬほど"愛している女」
「・・・僕君のこと知らない・・・けど」
「私は知ってる」
ナイフをゆっくりと僕が着ているシャツの上から、胸元を撫でるように動かして僕を見ている。
彼女の表情は「愛おしい人を見ているソレ」だ。
「今までずっとあなたに触れられなかった。けど・・・やっと」
ザク!!!
僕の顔の真横に差したナイフは花を切り裂いた。
一瞬僕の頬を擦ったのか流れる血が切り裂いた花に滴り落ちる。
彼女は頬から流れる血を啜った。
「愛を知らないあなた。愛に飢えているあなた。私が全部教えてあげる。埋めてあげる。だから全部私に頂戴」
頬からそっと離れて見下げた彼女の顔には僕の血で唇が汚れている。
この奇妙な出来事に、僕は理解が追付いていないが、
不思議と嫌な気分はしなかった。
彼女の身体を初めてしっかりと捉えた。
「食べていい・・・?」
以上です。
不思議な世界で、SSで描くには切り取りな世界すぎて、
私でさえ作りながら理解していった感じではあるんですが笑
今回は「愛している人ほどめちゃくちゃにしたい」という衝動を描きたいなって思って、それに合う曲を探してきました。
「愛」って綺麗な側面ばかりではなくて、
ドロドロとした沼のような、動物的な衝動も持ち合わせているような気がして。清濁併せ吞むというか。
私にももちろん、そんな部分もある気がしているので、
そこを表現したかったんですよね。
ただ、物語としてまとめようとすると、やはり綺麗になってしまいますね。笑
汚い世界も表現できるようになれたら、
なにか表現者として一皮むけるような気がしています。