ゆのみ#8【今日一日を大切に生きる】
「ああ、遅かった…」
そう思ったのは、新聞のお悔やみ欄でR子さんの名前を発見したからです。
R子さんは、私の終活セミナーに来ていただいた方で昨年の「なんでも相談会」にも来てくれました。
相談会では、ご主人もR子さん自身もガンにかかってしまい、お葬式のことやお墓のことが心配だと話してくれました。
R子さんは「私のガンの方が軽いので、お父さんを看取ってから私が逝くことになりそうだから良かった。だってお父さんは何も出来ない人だから。」とほほ笑んでいました。
その時は、家族葬の方法、ご主人が亡くなる前に墓じまいをして自分たちは海洋散骨にして一人娘には迷惑をかけないようにしたいというような話をしました。
「また、娘を連れて佐藤さんのところに来ます。」と言って帰っていきました。
それから数か月でR子さんは亡くなりました。
R子さんが思っていたよりガンの進行が速かったのでしょうか。
お悔やみ欄では、ご主人が喪主、お葬式は一般葬です。
一般葬で良かったのかな?
墓じまいは出来たのかな?
ご主人と一緒に海洋散骨したいと言っていたけど、どうなったのかな?
R子さんの笑顔が私の頭をよぎります。
R子さんのように、先のことは判らないもので、計画通りには決していきません。
命の期限や将来の出来事は誰にも予測はできないとあらためて思いました。
「その時になったら、佐藤さんにお願いします。」
と相談者に言われるたびに、「その時」はいつ来るのか本人は判っているのかなあと溜息をついてしまいます。
今日一日を大切に生きることは、
今日の悩みを明日に持ち越さないことだと思います。