マクロビアン薬剤師 七十二候で鮭を考える
マクロビアン薬剤師 七十二候で鮭を考える
現役薬剤師のみゆきです。
認知症の母が施設に入って8年目に入りました。
調剤薬局での仕事は、扱うものは『薬』
わたしはその『薬』を扱う仕事をしながら、
マクロビオティックの基本である、
身土不二、一物全体、陰陽調和
の3つの東洋の伝統的な考えを基本とした生活を送っています。
本日は
旧暦霜月二日
大雪
鮭魚群(さけのうおむらがる)
西暦2020年12月16日
今日から七十二候は
大雪の最終候『鮭魚群』に入りました。
『鱖魚群』とも書きます。
海で大きく育った『鮭」が、産卵のために一気に川を流れに逆らって上ってくる季節です。
北国の冬の風物詩にもなっていると言われているこの光景は、昔から神秘的なものとしてとらえられていたようです。
川で生まれて、雪解け水と一緒に川を下り海に出た鮭は、そのまま外洋で大きく育ちます。
そして大人になって、産卵のためにふたたび生まれ故郷である、日本の川に戻ってきます。
生まれた川に戻ってくることを母川回帰(ぼせんかいき)といいますが、
鮭は生まれた川のにおいを覚えているから、帰ってくることができる、、という説もあるようです。
この時期の鮭といえば、お歳暮としての新巻鮭(あらまきざけ)。
両親が北海道出身でしたので、子供の頃は、年末に父が鮭を捌くのを恐々見ていた思い出があります。
『鮭』は昔から災いを『さけ』る(避ける)とされています。
卵である『いくら』は、子孫繁栄の象徴と考えられてきています。
『鮭』が獲れる地域ではお正月の縁起物として鮭を贈り、また食べるならわしができたようです。
また『鮭』は養生食としても用いられます。
食材の働きとしては
五味が甘
五性が温
帰経が脾
ですので、
胃腸を温めて消化機能を増進し、水分代謝を高めて、血の巡りを良くすると言われているので、
お腹の冷えや胃弱、血行改善に用いられます。
風邪ひかないように、冷え性の方の身体を温めるのにも使われています。
お味噌味の鍋ものにするといっそう身体が温まりそうです。