アイディアを形にする
このnoteは【平和学】シリーズの一部です。今回は第四編をお届けします!
このnoteを読み始める前に、まずはこれらをぜひ読んでみてください!
その①:
その②:
その③:
Global Dynamics & World Peace
世界を垂直の構造ではなく、水平な構造として考えるようになった私が、今までに学んだ理論を用いて、実際の社会課題にどう取り組めるかを紹介する。地域としては、日本に着目していく。
ケーススタディ:日本
日本には相対的貧困状態にある人が多くいる。相対的貧困とは、生きていくためのお金はあっても、教育などの一定の水準以上のことが得られない状況のことを示す。経済的階級の下位にいる人々は、「自分は賢くないし、学校に行けなかったから頭が良くなれない。」という考えを持っていることがある。資本主義のシステムでは、学校に行き、学位を取得し、より高い社会的地位を築くことによって、より成功しやすくなるように確立されている。
フーコーがいう、"統治性"(Governmentality:統治がより容易かつ効率的になるように、規律正しく生産的な市民が生産されるための実践)が一人ひとりに働いているため、彼らは資本主義の考え方を自分の中に内面化(何かの観念、価値観、思想、規範などを、自分にとって基礎となるような当たり前の考え方や感じ方として取り込むこと)し、「学校に行けていない=資本主義のシステムの中で成功しやすい教育を受けられていない=その教育を受けている人のように賢くはなれない」と、自分を卑下するのです。
しかし、彼らは彼らにしかないサバルタン(詳しくは一つ前のnoteを参照)を持っている。彼らが社会構造の抑圧の中で培った、生きる知恵が、他の人々が教育で得た知識と同等の価値として認識されれば、彼らは平等な権利を得ることが出来るのではないだろうか。
この認知と理解を促す力を持っているものこそが、独自性・批判的思考などを培い、人間の感情を動かすことのできる、スピヴァクの言う人文科学や芸術、それらを用いた教育なのではないだろうか。これらが提供される場所が、抑圧してきた側にも、されてきた側にも存在すれば、今ある社会は別の世界になるのではないだろうか。スピヴァクの教育論は、経済的な貧富の格差を是正する可能性を見出し、さらなる平和が実現される希望となった。と、私は強く信じている。
まとめ・結論
この授業(Global Dynamics & World Peace)を通して、第一にミクロからマクロな視点で物事を見ることが出来るようになり、第二に世界を垂直から水平な構造で見るようになり、第三に抽象的な理論を具体的な社会の出来事・地域に落とし込めむことが出来た。
この授業を経て、私の次の疑問は、
果たして、私には何ができるのかということです。
どの地域の人々に、どのようにアプローチしたいのか。
どんな対話を繰り広げたいのだろうか。
特に日本の教育に高校生の頃から興味を持ってきた私にとって、スピヴァクは大きな希望となった。まずは、自分の県、地域に住む身近な人々と対話することから始めたいと思う。
ここまで平和学(Peace and Global Studies)の核となるGlobal Dynamics & World Peaceという授業について紹介してきました。ここまでの四編を読んでくださり、本当にありがとうございます!どれも学問的な単語をゴリゴリに使った内容が重めのnoteだったので、かなり伝わりにくかったかも、、、という気がしています(汗)学術的な内容をさらに分解して、身近な例とも結び付け、より分かりやすく説明できるようになることが今後の目標です(笑)何かわからない部分等、聞きたいことがあれば、ぜひ何でもコメントで質問してください!
今までの四編を英語でまとめた論文(ENGLISH VERSION HERE):
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