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一月に読んだ本の感想|学生読書note
朝の電車に、私がくるたびに席を詰めてくれるおじさんがいます。光のおじさんと呼んで心の中で奉ってます。みゆです。
早速、一月読んだ本の感想を書いていきます。既読の人には共感を、未読の人には購買意欲を湧き起こせられたら嬉しいです。
※ネタバレは極力避けてますが、少しあるかも
『残り全部バケーション』 伊坂幸太郎
おすすめ度:★★★★★
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あらすじ
当たり屋、強請りはお手のもの。あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。ある日、岡田が先輩の溝口に足を洗いたいと打ち明けたところ、条件として“適当な携帯電話の相手と友達になること”を提示される。デタラメな番号で繋がった相手は離婚寸前の男。かくして岡田は解散間際の一家と共にドライブをすることに――。その出会いは偶然か、必然か。裏切りと友情で結ばれる裏稼業コンビの物語。
ふゆイチのフェアの表紙に惹かれたので買いました。
めっっっちゃ面白かったです。
私が伊坂幸太郎を好きな理由の一つに大規模な伏線回収があります。
色々な文に散りばめられた小さな謎が、終盤に全て集約されるのは見ていて気持ちがいいです。今まで目的がバラバラだった仲間が最後全員で共闘する感じ。うーん例えが下手。
また、伊坂幸太郎の好きなところで、会話があります。まるで洋画のように小粋なギャグを挟みながら少し哲学的な話もする。そのギャグと真面目のバランスが神的です。おそらく私のような凡人が書いたら、厨二病くさくなって読者全員が苛立つと思います。
今作もその会話が光ってましたね。笑い堪えるのに必死でした。
最後にもう一つ好きな要素を。
……それは歳の差です!
私はくたびれたおじさんと若い男性の二人組がとても好きです。通常だったらほとんど交わらないような二人がコンビを組んで活動している……それだけでご飯何杯も食べれます。
それにおじさんは若者から活力をもらい、若者はおじさんから大人の余裕を学ぶ。このような相互補助関係が良いですよね。
今作に出てくるコンビもおじさんと若者コンビです(少し特殊な気もしますが)。
これらの要素が合わさり、最高の小説になっている『残り全部バケーション』。
おすすめです。
『ペッパーズゴースト』 伊坂幸太郎
おすすめ度:★★★★☆
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あらすじ
中学教師の檀は、猫を愛する妙な二人組の小説原稿を生徒から渡される。さらに他人の未来を観る力を持つことから謎の集団とも関わり始め……。苦い過去を乗り越えて檀先生は、世界を、自分を救えるのか!? 毎ページすべてが楽しく愛おしい、一大エンターテイメント!
面白い!……でも私的にはもうちょっと何か欲しいみたいな感じです。充分面白いのですが。
こうしてみるとやはり伊坂幸太郎って作品のパターンが変わってますね。『残り全部バケーション』や初期の作品は勧善懲悪的なストーリーが多かったですが、最近の作風は善が悪となったり、悪が善になることもあったりと、複雑化してるように思えます。大人が読むとそのような複雑なストーリーの方が深みを感じるのでしょうか。未熟な私にとってはさっぱりとした勧善懲悪ストーリーの方が好みです。
このようなことから私にとっては面白いのですが、好みではないというストーリーでした。
しかし、伏線回収や会話の面白さはしっかりあり、未熟伊坂ファンも大満足です!
『QJKJQ』 佐藤究
おすすめ度:★★★☆☆
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あらすじ
市野亜李亜(いちのありあ)は十七歳の女子高生。猟奇殺人鬼の一家で育ち、彼女自身もスタッグナイフで人を刺し殺す。猟奇殺人の秘密を共有しながら一家はひっそりと暮らしていたが、ある日、亜李亜は部屋で惨殺された兄を発見する。その直後、母の姿も消える。亜李亜は残った父に疑いの目を向けるが、一家には更なる秘密があった。
…………いや〜難解な話でした。
現実と非現実の境界が曖昧になる感じがとてもうまく表現されていて、読んでいるこっちも混乱してくるほどです。『ドグラ・マグラ』を途中まで読んだことがありますが、その感覚に近い。
佐藤究は『テスカトリポカ』で知り、好きな作家さんとなったのですが、この本はまだ私には早かったような気もします(笑)
しかし、佐藤究はどんなに残酷な描写があっても、最後は希望の光が見えるようにしてくれるので安心して読めます。『ジョジョ』もそうなのですが、最後に光を見せてくれる作品が私はとても好きです。
数年後にまた読んでみたいですね。
『レボリューションNo.3』 金城一紀
おすすめ度:★★★★★
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あらすじ
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」オチコボレ男子高に通い、死んだような毎日を送っていた「僕たち」は生物教師ドクター・モローの言葉で突如生き返り、世界を変えるために行動を開始する。その方法は―難攻不落のお嬢様女子高の学園祭に潜入してナンパをすること!果たして「僕たち」の潜入作戦は成功するのだろうか!?革命的おバカストーリーが炸裂する、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第1弾。
このシリーズの最新刊のあらすじが気になったものの、シリーズものだと知り、それなら初めから読もうと思い、読みました。
最高ッッでしたッッッッッ!!!!!
こんな面白い作品を今まで読めなかったのが悔しいですが、ちょうど思春期真っ盛りの今に読めたのもそれはそれで良かったです。
このシリーズについては、まとめて感想を書こうと思います。それほどまでに面白い。語り尽くしたい。
好きポイントだけ言うと、「登場人物全員カッコいい」「会話が最高」「青春の楽しさ、切なさが全て詰まってる」です。(もっとあります)
これだけは言っておきます。全人類読め!!!!!!!!
終わりに
月初めに読んだ本(この記事には載せてないです)があまりにつまらなかったのでちまちま進めてたら、いつのまにか月半ばになって焦りました。
その後、伊坂幸太郎を読み「これだよこれ!」と言う感覚に。
あまり、読書の範囲を狭くするのも嫌ですが、つまらない本を読み続けるのも苦痛ですね。これからは執着しないようにしたいです。
初めての読書感想まとめは長く書きすぎた気もします。次からはコンパクトにしたい!(それでいて的確に評論できるようになりたい笑)
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました!