詩「蓋」

心の中に蓋がある
開けばきっと 自分を見失うような
開かない限り 自分が隠されているような

世間との擦り合わせ
日々の歯車と化すべき自分のために
溶ける暇なく積み重ねられていく悲しみを
抑え込む 蓋がある

いつしか 蓋の存在さえ忘れ
偽りのみが残されて
仮面を被ったままに死ぬ

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水押
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