つぶやき 手放す(3 雑誌)

 以前、「つぶやき」の「あるお別れ」で触れたとおり、数年前から身の回りの片づけを意識している。一種の終活と言っていいと思う。その項で述べたものを「1」とカウント、その次に今年中に手放したいと思っていたのが「2」()で述べた卓袱台だった。

 3番目は雑誌である。今春発売された20~40代向けのオールカラーの女性誌で、特集は台湾旅行。久しく台湾へ行っておらず、そろそろ行きたいという気持ちから買ったものだったが、雑誌の対象年齢層よりわたしが上のせいか(たぶん)、内容にピンとこないまましまい込んでいた。

 しかし、取材はていねいで情報は新しい。買い物スポットも網羅してあり、グルメスポットも刺さる人には刺さりそうだ。せっかくの特集を誰かに活かしてもらえるならと、再び某サイトに投稿してみたのだった。ちなみに購入価格は1000円ほど、捨てずにすむだけでありがたいので、対価なしでお譲りすることにした。

 投稿後すぐに反応があったがそちらの方は受け渡しの都合が合わず待つこと数日。ある夜ふいに「譲っていただきたいのですが、明日取りに行けます」というメッセージが入った。提案いただいた時間帯ならこちらも都合がよかったので、受け渡し場所を決めて翌日会うことにした。

 事前に伝えた特徴の服装と持ち物でターミナル駅の待ち合わせ場所に向かい、待つことしばし。相手はすぐにわかり、簡単な挨拶のあと雑誌は無事に譲り渡された。

 短い雑談からわかったのは、相手の方が近く台湾旅行に行くので最新情報を集めていた、ということ。とても感じのいい方にタイミングよくニーズに合いそうなものを譲れて、わたしも幸せな気持ちになった。お互い同じエリアに住んでいて、待ち合わせしやすい点もありがたかった(このサイトは同じエリアで売買や譲渡、情報交換などをすることを想定しているサービスだ)。

 でも毎回こんなふうによい方に巡り合えるとは限らない点は注意が必要だろう。また聞きだが、取引相手がストーカーまがいの行動に出たケースもあるとか。受け渡し場所や方法には十分気をつけなければならない。

 と肝に銘じつつ、次に「手放す」ものについて考えをめぐらすのだった。

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