河野俊嗣宮崎県知事の自己処分の件。県知事が自身の懲戒事由について、自分で処分内容を決めて良い法的根拠を調べてみたけど、よくわからなかった件。
宮崎県が地元の宮崎日日新聞に行動隠しを依頼した件ですが、もともと県知事様が辞めることはないだろうとも思っていましたし、それをどうにかしたいという気もないのですが、その「法的根拠」という部分について腑に落ちないような感じが残ってモヤモヤします。
ネット上では「給料のカットが2ヶ月じゃ少なすぎる」みたいな声もあるわけですが、どんな労働者でも対価として1円の給料ももらえずタダ働きをさせることは基本できないですから、むしろそっちのほうが違法性が高いと思います。ですので、その意見には与しません。
先日、河野俊嗣宮崎県知事の「2ヶ月無給」の件。法律の適正な運用のためにも、県議会はこの条例案は通すべきではないのでは、という話。 ということを書きました。
・現在の日本の労働法制において、1事由について2支払期間以上の懲罰というのは認められていないし、どういう労働者でも本人の合意がある時でさえこの処分は無効なものではないか?
・公職者であるので、数百万単位の給料を受け取らないというのは、公職選挙法がどんな理由であれ禁止している「選挙区内への寄附(宣伝)行為」に該当して違法行為となる可能性が高いのではないか?
という概ね2点について違法である可能性があるのではないか、ということで書いたものです。もしかしたら、条例案が県議会で可決されても、裁判所に無効を申し立てれば認められる可能性もあるんじゃないのと個人的には思っています。
ただ、それ以前に、そもそも県知事だからといって、自分が起こした問題の量刑を自分で決めてよいのか?という素朴な疑問が湧いてきたわけです。自分で決めたとして、弁護士や裁判官などの法律の専門家を含んだ協議を介さず、多数派を占める議会に提出して議決するだけで良いのか?という疑問も湧いてきました。
県知事は、地方自治法で定められた特別職であり、一般の地方公務員ではありませんから、私が先日引用した記事の一般職員向けの懲戒規定がそのまま適用されるわけではないようです。ただ、県知事自身が職員にその規定を課しているわけですから、全く準用されないということもないようですが。と言うより、一般職員よりも厳しい規律が求められるはずです。
そこでネットを漁って参考になりそうな文書を見つけました。ここで書いてあるのは、特別職の副市長の懲戒を想定した場合です。
上記の地方自治法施行規程、というものを見ると、第十二条に以下の様に書いてあります。
これが県知事が対象であるとするならば、今回のケースでは明らかに、「職務の内外を問わず公職上の信用を失うべき行為があつた」わけですから、もし懲戒処分を受けるのであれば、都道府県職員委員会の議決を経なければならないわけです。
しかし、この「都道府県の専門委員」には知事は含まれない感じのようです。地方自治法に以下のように規定しています。
特別職の副知事、副市長などが問題を起こしたときには、専門委員に準ずる職員として懲戒の対象になった例はあるようです。
ただ、地方自治法も地方自治法施行規程も、県知事自身がそういう問題を起こした場合をそもそも想定しておらず、明確に書いてないような感じがします。なので、今回のように知事が自分で自分の量刑を決めて、県議会を通せばOKというようなことも明確には規定されていないようです。
施行規程の罰則をみると、特別職の職員が問題を起こしたときに「減給」で済ますという発想が根本的になさそうで、ある程度以上は即免職という感じですから、根拠がわからない今回の減給処分もなんだかなぁ、とは思いますが。
タイトルに書いた通り、結局、どういう法的根拠で今回の件がなされたのかは、分かりませんでした。あまりこれ以上個人で調べても解決しそうにないので、NHK宮崎のテゲ探にでも質問してみようかと思いますw
追記:以下のような内容でNHK宮﨑に送信してみました。ちょっと政治色が強すぎるので、調べてもらえるかどうかは分かりませんがw
追記2:条例案に不服がある場合の申立方法も調べてみました。私はやりませんがw
追記3:ChatGPTに問い合わせたら、「法的に適切ではありません」と回答がありましたw
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