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宮崎県民は観光業に期待しすぎな件。

また地元テレビ局のUMKの特集をネタにした記事ですが、宮崎県の観光について特集をしていました。

個人的には、そもそもが「観光」という業種を主要産業と捉えている事自体が宮崎県の発展を妨げている大きな要因とさえ考えているので、地元のメディアがこういった話題を高い優先度で特集を組むのが間違いだと思っています。

観光業に限らず、飲食業種や農業が他県と比べて産業としての比率が高くなっているのは、県としての産業政策が無策で有り続けたために、どこにでもある「基礎産業」的な部分が相対的に高くなっているだけです。

宮崎の高齢者は、50年ほど前の新婚旅行ブームのことが忘れられないようで、あの頃の宮崎こそが本当の宮崎だと考えている人も多いようです。その頃はまだ沖縄が日本に返還されるかどうかという時期で、宮崎が日本最南端に近いという地理的優位性があった上に、高度経済成長期で都会の若者もお金を持っていた、という特殊要因が重なっただけのブームにすぎないわけです。

「観光は宮崎の基幹産業」とよく言われますが、皆さんは宮崎は観光県だと思いますか?
12月16日、宮崎市内で県外客と県民合わせて100人に話を聞きました。

https://www.umk.co.jp/news/?date=20221222&id=16957

この質問も調査対象者もちょっと特集としてはひどすぎるのではないかと思います。それは宮崎県にいる人に地元メディアがそういう聞き方をすれば、「観光県」だとこたえるでしょうよ。

適切な対象に適切に質問をするのなら、最低でも東京、大阪、名古屋などの大都市圏の人に「観光に行きたい都道府県の優先順位を教えてください」と聞くべきです。おそらく宮崎県の順位は20以内に入ることはないと思います。

ましてや海外の人に聞いたら、全く候補にも上がらないでしょう。日本人に「イギリス」や「フランス」に行くとしたらどこに行きたいかと聞いたら「ロンドン」や「パリ」と答えるのがほとんどでしょうし。

コロナ禍でのデータではなく、現職の知事の3期目に入った2019年の延べ宿泊者数データでも九州管内でも、佐賀よりましという程度です。

宿泊者数が毎年日本で一番多いのは東京都で、その次がだいたい大阪府、それから地理的優位のある北海道、沖縄というところが多く、あとは大体その周辺の都道府県が上位を占めています。

観光業以外の産業が強くなれば、ビジネス需要も増え、ついで観光などのも増えるため、県の産業の中での割合は減っても、額は徐々に増えていくのです。

観光業や飲食業というのは、需要の季節変動、時間変動が多く、また特に全産業の中でも、非正規労働者(アルバイト)の多い業種で、地域別最低賃金で働いている人の多い業種でもあります。

平均所得も低く、若者の圏内就職率も極めて低い宮崎県で、最も収益の安定性の低い産業の一つで、底堅い需要があるけれども、労働生産性も低く、本当は基幹産業には絶対になり得ない「観光業」を基幹産業だとして取り扱うのは無理があります。

なにか手っ取り早くアピールする材料がほしい政治家にとっては、うってつけの産業ではありますし、東国原氏が当選することがあれば、ご自分のアピールにこの産業を使うのが目に浮かびます。

しかし、宮崎県にはもっと本質的に変革しなければならない産業があるのではないかと思いますね。

とりあえず、UMKは宮崎に来た観光客にがっかりさせないために、クロスネットをやめるべきですw


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