中心商業地にマンションが次々と建設されるのは、発展ではなく衰退だという話。

最近、車で宮崎市の橘通りや広島などの中心市街地でなにか建物の工事がされているのをいくつか見かけるのですが、それがほとんど居住用のマンションなわけです。

一見、高層のマンションが立つことは発展しているかのような印象がありますが、それが中心商業地域にできるということはあまり良いことではないようにおもいます。むしろ、その商業地域を将来再度盛り上げることを困難にする要因を増やしているとも言えます。

一番典型的な例は、大分銀行宮崎支店前の農林中金宮崎支店跡地にできたマンションでしょう。本来であれば、野村證券、みずほ銀行、福岡銀行、大分銀行、宮崎銀行本店などが並ぶ通りですから、何かしらの金融機関の大きなオフィスビル等が立ってほしい場所であったはずです。

ちなみに農林中金は、宮崎営業所さえ2020年に廃止しています。

nochubank.or.jp/news/news_release/uploads/2019/20190425_店舗%28営業所%29の廃止について.pdf

宮崎からは三菱UFJ信託銀行が撤退し、SMBC日興証券は旧デパート前交差点にありましたが、より目立ちにくい場所に移転したりしています。他にも色々ありますが、好景気と言われたアベノミクスの間にも、シビアな合理的な判断をする金融機関などが「宮崎市場には未来がない」として縮小や撤退を決断しているのです。

そこで空いた中心市街地のまとまった土地にマンションが立つわけですが、
それを購入することができるのが公務員が中心になります。これまで何度もかいてきたとおり、宮崎では大企業に分類される民間企業の従業者よりも県職員のほうが多いという状況で、住宅ローンを組めるのは結局公務員が多くなってしまうのです。

中心商業地域というのは色々と時代に応じて変化や新陳代謝を繰り返してこそ、常に人を引き付ける場所であり続けることができるわけですが、居住用のマンションができて定住する人が増えるということは、日照権や騒音等の問題で色々と規制ができやすくなりますし、なかなか立ち退きの手続きが勧めにくい場所となります。風俗営業業種との軋轢も増えてくるでしょう。

現在でも、あまり宮崎市の中心市街地はそれほど若々しい活気のある場所ではないわけですが、マンションにすむ公務員や公務員OBが定住する場所となり始めると、さらに高齢化の進む活性化の見込めない場所となっていきます。

自由主義国家ですから、そういった開発を止めることはできないですが。

宮崎県庁の新館や日向市役所、JA宮崎のビルと公務員が住んでいるマンションだけがピッカピカで、その周辺のビルは昭和の色あせたビルばかりという状況がこれからも続くのでしょうか?

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