フェニックスリゾート 13期ぶりの経常黒字。どうも腑に落ちなないな、という話。
26日付で、宮崎県内の各メディアはフェニックスリゾートが13期ぶりの経常黒字だったことを伝えています。
県内のそれなりの規模の会社が黒字であることは喜ばしいことですが、ざっと記事などを読んでも、今後に向けて前途洋々な決算とも言い難い感じはします。
利用客あたりの売上高(客単価)は1万1500円程度です。宿泊客も単なるレストラン利用者なども合計しての利用者数なのだろうとは思いますが、その辺を割りと意図的に見えにくくしてる感じもしないではないです。
昨年度は、コロナの人口あたりの感染者数が1週間連続で全国1位で県独自の医療緊急事態宣言発令中でも、全国旅行支援を再開したほど、旅行業界への利益誘導も行い、更には年度末にはWBCの事前合宿などもあり、観光業界としてはこれ以上ないほどの特需があったわけです。
今年度も、サミットによる官公需で初っ端から大きめの売上が上がっているでしょうし、ラグビー日本代表の合宿やコロナによる制限がなくなったことでの反動需要もしばらくはあり、黒字を見込めるということでしょう。
でも、それから先が本当に維持できるかは疑問ですよね。
13期も経常黒字が出ない事業を持ち続けているセガサミーグループも、統合型リゾート開発(IR)の候補地について宮崎は事実上撤退した今、公的支援の意味合いの強い官公需や債務の優遇などで旨味がなければそれほど持ち続けることのメリットもなさそうな気がするんですが。
ネットで調べられる昨年度までの決算公告をみても、貸借対照表だけが開示されていて、損益計算書が見当たらず、ましてや売上の明細などは知る由もありませんので推移は確認できないので、それ以上のいい加減なことも言えませんが、どうも腑に落ちない感じがします。
宿泊業や飲食サービスはいくら規模が大きくなっても、労働生産性は上がりにくい産業で、需要変動も大きくリスクの高い産業であることは間違いなく、県の規模で「基幹産業」として入れあげて税金を投入すべき産業ではないと思います。
今の世界情勢で中国や台湾、韓国からのインバウンドに期待するというのもなんだかな、という思いがします。
今年度の県のの当初予算も、先日記事になっていた肉付け予算も、農業や観光ばかりに重点をおいた予算ですし、しばらくは県知事選挙も県議会選挙もありませんから、こういう県政が続くのでしょうね。
個人的には、官公需や予算の優遇ができなくなったときの再度のハードランディングが恐ろしいですが、仕方ないですね。