これしたいです!と発言するのってむずくない?
社長の鞄持ちに対して以前このような質問をいただきました。
「何か自ら企画したり、提案したことはありますか?」
私の回答
「・・・。ないです。たぶん、ほとんどないです。」
こう言うと、”なんだ、社長の鞄持ちって結局雑用なんじゃないの?”って思われますよね。
たしかに、”雑用じゃありません!”とは言い切れないとも思いますが、
”雑用”だけじゃないと思っているし、そもそも、いわゆる”雑用”ってすごく勉強になると思うんです。
”雑用”をたくさんしたからこそ、できることが増えたし、できないこと、やりたくないこともわかった
あんまり”雑用”って言いたくないんですけど、共通言語として”雑用”が一番わかりやすい気もするので今回は社長の鞄持ちの一部を”雑用”に置き換えます。
いわゆる”雑用”というものをすることで、一般的な会社の機能を半年間で高速ジョブローテーションしてきたと思っています。
これがやりたいことを見つける上でものすごく大きな影響を与える経験だったと思います。
実は、社長の鞄持ちを始めた当初、こういうことがやってみたいんです!と言ったことがありました。
それ自体はおそらく人に喜ばれることだと思うし、社長にもいいねとは言われました。
リサーチをして企画書のたたきみたいなものを作ってみるところまではいったのですが、結局それは形になりませんでした。
なぜか?
需要がなかったからです。
これはビジネスの中で大きな学びでしたね。
壮大なビジョンを掲げていいものだと思っていても、
必要とされなければ意味がないのです。
もちろん、ゴールは見えないけど”好き”や”やりたい”を突き詰めた先に必要とされるようになることもあると思います。
けど、そういうのってわずかな気もします。
信念を持つことは大切だけれど、ビジネスの視点で見た時にそれは必要とされるものなのか
そう言う視点も一つ持ち合わせていなければいけないということをとても実感しました。
ここに気づいてからじゃあ私は何をしたか。
”雑用”をとにかくこなして”できる”を増やすことに徹しました。
それはなぜか?
できるを増やすと選択肢が増える、つまり自由度が大きくなる。
自由度が大きくなると、需要のあるものに対応できる確率が高くなります。
そして本当に大事なのはここから。
今はなくても、いつか”これやってみたい”と思った時にすぐに”カタチにできる”可能性が高い。
だから選択肢を増やすことに徹したのです。
結果、今どうか。
選択肢が増え、視野が広がったことでやりたい!と思えることが少しずつ増えてきて、鞄持ちを始めたときよりは多少ですが、それをカタチにできるようになったと思います。
まだまだ未熟なのでこんなたいそうなことを言える身分ではないのですけどね。
少しずつできるが増えてきました。そして、できることが増えた分、やりたいことも増えました。
専門知識、できること、網羅的な情報。
何もない状態からはやりたいことは生まれない。
そしてやりたいだけではビジネスは成立しない。
事業とは何たるか
そうは言っても”需要があるか”、”必要とされるのか”だけでは面白みがないと思うのが私です。
そして、そういう観点ばかりだと形骸化したビジネスもあると思います。
この間、鞄持ちをしていたときに社長からいただいた言葉がすごく心に残っています。
”事業とは自分の信念が社会的に認められるかどうかを問う行為”
信念はその人にとっての正義であり、時には否定されることもあります。
たくさん批判をあびてなかなかグロースしないこともあるかもしれない。
それでも、
事業は”儲かるのか”というだけではなく、その”信念”も大事であることを再確認しました。
このバランス感を保つのは難しいけれど、
私は自分の信念を忘れないでいたいなと思います。