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【前編】ジェフ千葉2023年の総括
ジェフの2023年が幕を閉じた。
最終戦となった東京ヴェルディとのプレーオフ準決勝を振り返りながらジェフの2023年をダラダラと総括していきたいと思う。
飛田給駅に降りるのは2014年プレーオフ決勝山形戦以来だ。あの山形戦は私にとって最もツラい敗戦だった。
あれからいろんな試合があったけど、試合の後に立てなくなったのはあの試合だけだ。
オフサイドまがいの相手の決勝ゴールに呆然とした。
今でもあのオフサイドがなかったら・・・。
タラレバだけどそんなことを考えるときがある。
そのくらいツラい敗戦だった。
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あれからもう9年が経った。
味の素スタジアムの最寄り駅である飛田給駅はあの頃と変わっていないのだろうが、記憶があまりないので新鮮に感じた。
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駅構内は東京ヴェルディとFC東京のフラッグが並び、天井を緑色のライトが照らしていた。
これも試合日によって色が変わるのだろう。
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駅の外にはFC東京の往年の選手たち。
アマラオとかトゥットとかいたなーとあの頃を思い出した。J2から昇格してきてJ1を席捲したのは衝撃的だった。
昇格チームが侮れないことを知ったのはこのFC東京が初めてだった。
小雨が降るなか、味の素スタジアムへと向かった。
スタジアムまでは徒歩でおよそ15分。
子どもの頃はもっと遠く感じたけれど、案外近かった。
道中のファミレスにはヴェルディとジェフのユニフォームを着たサポーターたちが腹ごしらえをしていた。
こういうどこにでもない風景が気持ちを昂らせてくれる。
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スタジアムが見えてきた。
「TOKYO VERDY」と書かれた大きなバルーンゲートが出迎えてくれた。
ヴェルディとジェフのサポーターは半々といった感じだろうか。
ヴェルディのロゴのモニュメント前で写真を撮っている子どもたちも見かけた。
思い出が積み重ねられていく様子を見るのは感慨深い。
中学生のとき、親と一緒に味の素スタジアムに見に来たことを思い出した。
あの頃はオシム監督がいて巻が活躍してたっけ。
試合内容とかはあまり覚えていないけど思い出は確かに残っている。
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雨の降る中、ジェフサポーターの待機列に着いた。
入場よりも1時間以上早かったが1000人くらいのサポーターが待機していた。
さすがプレーオフだ。
今年はチームの調子が良いだけでなく、小林慶行監督による熱い呼びかけによって多くのサポーターがスタジアムへ足を運ぶようになった。
思い返せばコロナ禍を過ぎてもフクアリは閑古鳥が鳴いていた。
昔(2017年のエス将1年目とか)の熱量を持っていたサポーターはどこに行ってしまったのか、残念なくらいの観客数だった。
それが2023年は大きく回復した。
サポーターは慶行監督の呼びかけに応え、再び熱く応援するようになった。ジェフというクラブにはサポーターがしっかりと根付いている。
たとえ離れていても、きっかけがあればまたいつでも集まれる。
Jリーグ30年の歴史のなかでこの文化が根付いたというのは素晴らしいと思った。
待機列では立って携帯を眺める者、レジャーシートを敷いて仲間とトランプをする者など暇の潰し方は人それぞれだった。
私は100円ショップの折り畳み椅子に長崎戦の入場特典でもらったユニフォームのシールを貼ったお手製ジェフチェアに座って待機した。
それぞれが思い思いのことをやっていても、全員がジェフが大好きで試合を心から楽しみにしている空間にいることに幸せを感じた。
12時半になり、入場時間になった。誘導員の指示に従ってサポーターはぞろぞろとスタジアムへ移動を始めた。
とはいっても1000人以上いるから、動き始めるまで20~30分くらいかかった。
ようやく動き始めたとき、キックオフ2時間前でスタメンが発表された。
隣に並んでいる男性が突然、「呉屋がスタメンですよ!」と興奮して教えてくれた。
咄嗟のことだったので「あ、はい。楽しみですね」と答えるだけで気の利いたことも言えなかった。
でも、嬉しかった。
「ジェフが好き」というだけでこういったコミュニケーションが取れる。
本当にすごいことだ。
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ゲートをくぐり、ゴール裏に着いた。
味の素スタジアムは1、2階席に分かれており、私はより臨場感を味わえる1階席に陣取った。
アウェイのゴール裏自由席は完売ということもあり、入場が遅い人は席が見つけられないくらいだった。
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アウェイゴール裏中央の屋根に出来てしまった補強部分。
これが落下する可能性があるためゴール裏は分断された。
それによって憤慨するサポーターも見られた。
私もジェフサポなのでサポーター席が分断されるのは残念に思ったが、安全第一なので仕方ないことだろう。
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選手が練習に出てくる前に、と新宿駅で買った鮭のお弁当を取り出した。
どの具材も味付けが濃く、こういう寒い日にはとても美味しかった。
練習開始時刻になり、選手が入場してきた。
中編へ続きます。読んでいただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。