うつし世で、できること。
現世(うつしよ)に生きる私たちは、意図せず、または知らない間に誰かを傷つけたり、逆に傷ついたりすることがあるのではないでしょうか。悪意を持つ場合を除いて。結果、やさしさや、慈悲の愛を持つことに、無意味さを感じることになるのでしょう。目には目を・・・的に生きることが自分を守ることになると。確かに自己防衛は重要で欠かせないことです。ただ、それが度を過ぎないようにしないと、冒頭に書いた、不可抗力で自分が加害者になったことへの反省の念は、生まれてこないでしょう。ただでさえ、日々生あるものを食している人間であれば、なおさらです。幽界(かくりょ)の写しである「うつし世」の今を生きる私たちは、いまここでゆっくりと越し方をリプレイしながら、行く末に悔いを残さないようにしたいものです。
「映すうつし世」
心を見つめ 思い出すのは
あの日 あの時 もう一度
この苦しさ なかったはずなのに
ときに 弱き者であり
計らず 強き者になる
うつし世に うつして リプレイ
もうこれ以上 繰り返さないために
ハンドルのさき 見えてくるのは
懺悔 後悔 あざやかに
暗闇へと 封印したはずも
今を 生きる者であり
過去から 目ざめ落ちる者
うつし世に うつして リプレイ
もうこれ以上 繰り返さないために
愛を求めて さまよう姿
刹那 永遠 あの出逢い
嘘でさえも 信じあえたふたり
恋に 溺れゆく路は
やさしく 夢を語るだけ
うつし世に うつして リプレイ
もうこれ以上 繰り返さないために
うつし世で 傷つき 傷つけ
もうこれ以上 繰り返さないために
もうこれ以上 繰り返さないために
終
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