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夜空のざわめき【中編ホラー小説】
一
朝の空気がうっすらと残る琵琶湖を眺めた。湖面に朝日が眩しく反射し、俗界の音を吸収したかのようにひっそりと静まっている。秋の冷気がやさしく吹き抜けて純之介の前髪を小さく揺らした。
――今、自分は存在している・・・・。
何だか不思議な気持ちである。日常の環境から離れたとき、普段と違った脳の回路が開くのだろうか。深く呼吸しながら大地のエネ
一
朝の空気がうっすらと残る琵琶湖を眺めた。湖面に朝日が眩しく反射し、俗界の音を吸収したかのようにひっそりと静まっている。秋の冷気がやさしく吹き抜けて純之介の前髪を小さく揺らした。
――今、自分は存在している・・・・。
何だか不思議な気持ちである。日常の環境から離れたとき、普段と違った脳の回路が開くのだろうか。深く呼吸しながら大地のエネ