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平和を願う「ターン、ターン、ターン(Turn, Turn, Turn)」と戦争の被害に遭う人々に勇気を送るサーディーの詩

「ターン、ターン、ターン」は旧約聖書の「伝道の書(コヘレトの言葉)」3章の一節からの出典でピート・シーガーがメロディーをつけたもので、バーズがカバーして全米NO1ヒットとなった。


愛するための時があり、憎しむための時がある
戦争の時があり、平和な時がある
抱擁するときがあり抱擁を拒む時がある
平和のための時
それはまだ遅すぎではないのだと
私は声を大にして言うのだ
http://www.tapthepop.net/roots/49548


というもので、平和への想いが表されるが、「ターン、ターン、ターン(変わる、変わる、変わる)」という表現は仏教の無常観にも通じるものがあるようだ。人間が苦を脱却するための哲理として無常観があるならば戦争も常ではない。日本の古典「平家物語」などに現れる戦争も無常観を通じて平和を祈るものだと解することができる。


バーズ「ターン、ターン、ターン」

 ウクライナ北西部にあるリウネには有名な「愛のトンネル」がある。5キロメートルほどの緑のトンネルだが、あまりロマンを感じないが、冷戦時代につくられた軍事工場に至る鉄道が中を通っていて、自然のトンネルができたらしい。軍需工場に至るトンネルではなく、男女が結ばれゴールインとなるトンネルとして有名になったのも無常な世界を表している。「愛のトンネル」には世界中から観光客が訪れるようになっていたが、戦争による破壊から免れてほしいと願う。

イラ

愛のトンネル(ウクライナ) https://globe.asahi.com/article/11912838

ン詩に表われる無常観は刹那的な快楽を勧めるのでは決してなく、今を大切に生きよ、ということを教えているように思うが、そういう意味でも人の命を奪う戦争は許容しがたい。古代ギリシア神話に登場するイカルスは蝋で翼をつくって飛行できることを喜んだものの、調子に乗って太陽に近づきすぎたために、蝋が溶けて、墜落死した。アメリカに対抗してロシアの覇権、勢力圏拡大を図ったプーチン大統領もイカルスのように、その権力もやがてしぼんでいくだろう。正義、公正を求め、戦争に反対する国際社会の世論の高まりがロシアの戦争をやがて止めてくれることを願う。下のイランのサーディーの詩はロシア軍の暴力に耐えるウクライナの人々に勇気を与えるものだ。


おお、弱い者よ、強い者に堪え忍べ
いつの日か、そなたが彼より強くなるから
決意を固めて暴君に対し叫びをあげよ
決意の腕は暴力の手に勝る
唇が渇き、虐げられた者に「笑え」と言え
暴君の歯はいつか抜かれよう -サーディー『果樹園』

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