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誰しも守りたいものを守るために 残酷になるもの 第三者視点なんてありえない 嘘を言わないでください 傷つきたくないですか 笑われたくないですか 踏まれたくないですか 大事にされたいですか いつものように負けて帰る 夕暮れの駅で見た下弦の月 泣いても 笑っても 明日は続く きっと続く
怒りの渦は止まらない 私はそれを眺めているしかない 幼かった彼らは大人になって 自分たちを虐げた白塗りの冷たい石に つるはしの先を振り下ろしている それを私は眺めているしかない
己の体が 血にまみれ、汚れるのが怖いか 天を見よ 覆いかぶさる災害 どうせ死ぬ身と嗤うなら 剣を抜け 戦え、暴れよ、縋すがりつく腕を斬り散らせ そして泥まみれのまま 神の前に立ち、戦え、振りかえるな 孤高を盾に、最後まで行け 連綿と続くネオンのように、輝け
生きて、生きて、生きて 生き抜いた人にとっての死は 唯一の休息 夢の続きは、いりません
笑わせようと おどけてくれていたんだね なのに私ときたら 軽く聞き流してた 優しい人はもういない きっとどこかで海を見てる テトラポットの上で 寝そべっている 昔のこと 気持ちがすれ違ったこと 言えなかったこと 目の前にあると 見えない ・・・ ・・・
通り雨は僕らの街を洗い流し やさしい風が君の匂いを運ぶ 洗いたての香りでは無いけど なぜか懐かしい気持ちになる 何度も言いかけて黙り込んだ 僕の言葉を待ってるみたいに ねえ 気が付いているんだろう 知らないまま とぼけたまま このままでいい 友達と恋人の間くらいの ままでいい 雨が降っても 夏になっても きっと僕らは いつまでもこのまま 変わらない心を 変わらない愛を
ある共同幻想の外側へ 一人の人が出てくるのを見たよ へんてこな衣装を脱ぎつつ 化粧を落としてる なぜか笑いが止まらないんだってさ どうやら何かの発作らしいぜ たぶん病んでる 天職だと思って 始めたピエロ みんな俺を見て笑う その喜ぶ姿が見たくて 一生懸命演じてたら こうなっちまった 下着姿の男はそう言って 泣き始めた 僕は彼にこう言ったんだ そう 思ったまま正直にね 他人の欲望の狭間(はざま)で 踏みつけにされ自分を無くしたんだよ 拍手に踊らされて自分を 見失っちま
かなしい、かなしい、かなしい 雨が降る 僕らの時代にさよなら いつか見た鳥居の向こう 忘れえぬ人 ゆっくり歩く川沿いの小径(こみち) 歴史をたどる終わりなき旅 あなたが語る愛の言葉は まるで陽炎みたいに 揺れて消える かなしい、かなしい、かなしい 太陽が降る 僕らの時代にありがとう いつか見た夢の続きは 明日にある 裏切りの言葉の向こうにある 信じる気持ちを言葉に出来ない 怒りに染まる君の真っ黒な 顔から目を背(そむ)けた 霧の彼方(かなた) かなしい、かなしい、かな
今注目の詩人と言われている人の作品を見たら そこにはものすごく暗い、十代の記録があった 苦しみを昇華し、羽ばたいたストーリーを見て こんな事は書けないと思った 嫌な事があっても適当に誤魔化す癖があるから 研ぎ澄まされない感性と言葉 そして致命的なのは頭が悪い事 みんなが知っている事を知らない 芸術家なら 破滅すればするほどいいものが できるという噂があるね だとしたらそちら側には行けない 空は緑では無いし セピア色の景色は写真だけ 悲しければ笑わないような 普通の世界に
話がしたいがうまくいかない 好きなにおいをかぎたいけど、どこにも出られない 触れたいが動けない 思考以外の場所を知らない いつも聞こえる気遣わしげな声にいら立つけど、それが途切れると不安になる 早く自由になりたいが、その時期が誰かの判断で決まるのはおかしいと思う たまにどうしようもなく腹が立って喚くけど、「不穏」という言葉で決めつけられるのは不当だと思う ぞんざいに扱われるたびに消えてしまいたくなる 優しい人には迷惑をかけてしまう 怖い人の前では石になる 人生が黒5だ
とくに語る事などないけれど もう疲れてしまった事は確かで それにするべきことは山積みだったりして だからピリオドを打つため 少しだけ話をさせて 人に優しくするという事は 自分を削る行為だ なぜなら人は欲しいものを手にした時にしか 笑わないのだから 人を笑わせる人は どんどん小さくなってしまいには 消しゴムみたいな最期を遂げるんだ もしも君がそんな姿になったら 私は嫌だな だから言いたい 優しい人になんかならなくていい 人に優しくしなくていい なぜなら人はそもそも優しくな
いつも来るお客さん 登山スタイルのペアルック 180センチ越えの旦那さんと 150センチも無い奥さん ふたりは揃って不機嫌な表情で 一言も発しない 奥さんはいつも小銭しか出さないが 旦那さんは黙ってお金を払う ふたりはいつも一緒 多分お互いにときめいてはいない 夫婦の付き合いってたぶん つまらないものだろうけど 時が経つってそういう事 若葉が枯葉になるように 自然な事なんだよね
幸せにできないと分かっているから 友達のままでいよう 愛とか そんな事言わないで 僕ら いつまでも惹かれ合っていよう 幻滅しない距離で 君の背中を見ていたい どんな思想も宗教も 事実だけは変えられない ふたりで抱き合う時の 喜びを君と分かち合えない 約束なんて できないのだから 本当にあなたのこと 大切に思っています
君が生きていて良かった ただそれだけだよ ほかに言う事なんか無い いつか語り合った事 楽しみにしていた石拾い みんな別れの挨拶だったんだね 今思えば 寂しく優しい言葉だった 今までありがとう、と 君が生きていて良かった ただそれだけしか 言葉が思い浮かばない また会えるといいね 冬の花火大会 ばらばらに散った熱のカケラ いつかまたどこかで