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間違いではなく、まだ分からないでは?

クイズ番組で生のトマトにあるものをかけるとビタミンCの吸収が良くなるというものがありました。2択です。2択にすることで、「全然わからない」、おもしろくないと思わせないUDな出題です。「それはなんでしょう?」でとめないところがいいですね。さすが、クイズ王も参加している番組です。

そして、さらにいいのが、マヨネーズか塩というごくごく身近な食材が選ばれています。2:4くらいで塩を選んだ人が多かったです。いいですねぇ。ちゃんと考えが割れています。これで、聞きたい気持ちがぐっと高まります。

そして、正解は、ありきたりと考えられたマヨネーズです。回答者は、「さっき、油と一緒だと吸収がよくなるという話をしていたからマヨネーズに」という、既習の学習を生かして論理的に答えています。すばらしいですね。

ここまで、授業で言ったら、深い学びへいざなうにはとてもよい流れでしょう。このあとに、どんな調べ学習が待っていると思いますか?

きっとマヨネーズをかけるとどのようにビタミンCの吸収が良くなるのかを調べることでしょう。本当に塩は吸収率を上げないのか、調べる子も出てくるかもしれません。他にないかなと、第3の選択肢を求めるかもしれません。とてもいいなぁと、思っていたのですが・・・TVの性質上、答えは端的に明確にする必要があるのでしょう。

「塩は、味をつけるだけで、効果はありません」といったことを専門家が答えるのです。残念だなぁと思うのです。間違い=「効果がない」となっているのです。本当に間違いなのでしょうか?「ビタミンCの吸収には関係がない」ということだけなのではないのでしょうか?もしくは、今の技術では、測れないものなのではないでしょうか。「効果がない」と決めつけたことによって、何人の人が、「効果がない」から調べても意味がないのだと勘違いしたでしょうか。本当に効果がないのか調べることが無駄のように感じてしまいます。

ぜひ、科学に関わっているのであれば、「今は分からない」とか「効果がないと言えます」とか、言葉を選んでほしいなと思ったのでした。とりあえず、トマト、特にミニトマトを加熱してとろとろにしてから食べようと思いました。

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